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量産型エヴァこそ使徒だと思うんだが

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/03 00:15 ID:???
どうよ?

2 :naoki ◆dQYmuv9Ehk :03/04/03 00:16 ID:ti0D8ifJ
getto~!

3 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/03 00:18 ID:???

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4 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/03 00:53 ID:???
だって量産型ってまるで天使みたいじゃん。
奴らこそ真の使徒!!!

5 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/03 00:56 ID:???
量産型ってカヲルなんだろ?
ぜってー使徒じゃん。

6 :間 クロオ ◆0T8m48n6u. :03/04/03 23:55 ID:???
        (\
         \\
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           (\\\\\   
            \\ |||
( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||        
  ̄ ̄( ̄ ̄//// ̄\  ∧__∧   正確には使徒のコピペ
      ̄(//// ̄\\(-=・=∀)          _____
        (/(/// ̄ ( つ(●)⊃━━∝∝∝〈_____
             (/(/ |  |  |        
                 (/(  \_)\_)

7 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/04 13:26 ID:???
量産型は量産型。使徒は使徒。

8 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/05 12:42 ID:???
    /                    ヽ
   / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
    ' 「      ´ {ハi′          }  l      阿部高和が8getだ
   |  |                    |  |
   |  !                        |  |     >>1 やらないか?
   | │                   〈   !     >>3 うれしいこと言ってくれるじゃないの
   | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   >>4 とことんよろこばせてやるからな
  /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !   >>5 いいこと思いついた
  ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |      お前、オレのケツの中でションベンしろ
 | | /ヽ!        |            |ヽ i !   >>6 ああ・・・次はションベンだ
 ヽ {  |           !           |ノ  /    >>7 ところでおれのキンタマを見てくれ
  ヽ  |        _   ,、            ! ,         こいつをどう思う?
   \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'′     >>9 ケツの穴のひだまで
     `!                    /          あまさず写しとってくれよ・・・
     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
       |\      ー ─‐       , ′ !

9 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/04/05 14:48 ID:???
初号機を倒さなかったしアダム眼中に無しだから使徒じゃないでしょ

10 :アスカとシンジだがね軍団団長:03/04/05 14:55 ID:???
「10ゲッツだよ、アスカ」
「アンタバカァ!」

11 :山崎渉:03/04/17 11:54 ID:???
(^^)

12 :山崎渉:03/04/20 00:41 ID:???
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

13 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/05 00:08 ID:???
失礼します。
しばらくこのスレをお借りします。

以降に書き込まれるのは「サードインパクト後はこんな世界ですた」の
没ネタ、もしくは未使用ネタです。

14 :京都・南部(旧京都駅付近)<1/3>:03/05/05 00:10 ID:???
京都中心部より南へ約4km。超自然の霧が澱んだ河のように流れる中に、
巨大な駅舎がひっそりと建っている。
周辺は無人。どす赤い霧のもたらす異様な雰囲気とあいまって、駅は
駅というよりは見捨てられた廃墟にしか見えなかった。
どこかから、かすかに車の駆動音が聞こえてくる。疲弊したようなエンジン音は
次第に大きくなり、やがて赤い霧を分けて一台の軍用車両が現れた。車両後部を覆う
装甲は数え切れないほどの弾痕と亀裂で覆われ、強化ガラスの窓は残らず割れている。
車両はがたがたと揺れながらロータリーに滑り込んで止まった。
歪んだ後部扉が開き、市街戦用迷彩に身を包んだ兵士たちが次々と降り立つ。全員、
対使徒能力重装、及び対改造騎士特殊弾頭を装填した各種武器を装備。一人が
同僚の肩を借り、何人かは身体のどこかに応急処置の包帯を巻いている。
最後に降りた運転手が、部隊長らしい男に駆け寄った。
「完全にお手上げです。計器には何の異常も見られないんですが、何度やっても
エンジンの回転が上がりません。これも霊能局が言ってた悪霊の妨害ですかね」
「霧の影響に加えてさっきの追撃戦がたたったかな。予定通り、
 ここからは徒歩で移動する。運べるだけの装備を車両から出しておいてくれ」
「了解です、加持二佐」
加持と呼ばれた男は頷き、駅周辺に鋭い視線を投げた。

15 :京都・南部(旧京都駅付近)<2/3>:03/05/05 00:11 ID:???
部隊の半数は駅の入り口周辺に展開し、構内が無人であることを確認すると
内部へと突入していった。まもなく一人が駆け戻ってきて安全だと報告した。
加持と呼ばれた男は、部隊の残り半数とともに、半壊した車両から
めぼしい物資を運び出す作業にかかった。指示を下す彼の目の前に、車両の屋根から
ダークスーツの男が転げるようにして降りた。疲れきった顔で加持を睨む。
「ご苦労、No.1。おかげで予想より大幅に被害が少なくて済んだ。勲章ものだな」
「言ってろ。ここに来るまでに襲撃8回、それも全部改造騎士だぞ? 
 片っ端から暗示かけて同士討ちさせなきゃ、お前ら今頃は全滅だぜ。少しは
 真面目に感謝しやがれってんだ」
「わかってるさ。だからこの人数でここまで切り込めたんだってな」
加持は軽く黒い男をいなし、手早く物資をまとめて駅舎に入った。がらんとした
駅構内に、待機する部隊の立てるわずかな音が虚ろに響く。
加持はうずくまる兵らの前に立ち、小隊長四人を呼び集めた。
「さて、ここまでは何とか来られたが、本番はこれからだ。
 ここからは手筈通り、5チームに分かれて”結界”の発生源と思われる地点に向かい、
 各地点の監視ポイントを確保する。敵側も相当の防備体制が予想されるが、
 なるべく刺激するな。現場の状況を可能な限り詳細に把握し、後発部隊に伝えるのが
 我々の仕事だ。戦闘行為は極力避けてくれ」
後ろでダークスーツの男が付け足す。
「避けろ、っていうより、改造騎士に会ったら即・逃げな。奴らにとって
 この街はホームグラウンドだし、数も段違いだ。さっきの戦闘でわかってるとは思うが」
装備の点検を繰り返しながら、兵士たちは無言で頷いた。ロータリーに
残されたぼろぼろの車両を、数人がそっと振り返った。

16 :京都・南部(旧京都駅付近)<3/3>:03/05/05 00:12 ID:???
「この中には、大阪で惣流博士とともにかなりの戦果を上げた者もいる。
 だが無駄な消耗は命取りだ。戦うなら、同じく先行しているランドマスター隊や
 バーミリオンの爆撃第二波と連携し、自分たちに絶対有利な状況を作る必要がある。
 技術部のお墨付きはもらってるが、それでも対使徒能力兵器だって万能じゃない。
 敵に比べ、こっちは圧倒的に非力だということを自覚しろ」
加持はそう言ってからふと、こんな言い方しちゃリッちゃん怒るなと頭を掻いた。
赤木リツコを知る何人かの間から失笑が洩れる。それが、緊張の連続で
殺気立っていた部隊を、ほんのわずか和らげた。
加持はそれを確認すると、無言で自分の銃を取り上げた。
部隊の空気が一気に引き締まる。
「・・・以上だ。伝令兵各員、定時連絡だけは怠るな。では、行動開始」
その声とともに、兵士たちは五つのグループに分かれ、それぞれに
駅舎の奥へ消えていった。最後の一斑に同行するらしい加持がスーツの男に問う。
「お前はどうするんだ? 確か、ここまでっていう話だったが」
黒い男は苦笑いした。
「ああ、ここでお別れだ。世話になったな。俺はそうだな、せっかく京都に来たんだし、
 本物のボスに最後の報告でもしに行くさ」
「・・・そうか」
加持はかすかに笑って頷き、小隊に合図を下した。
数分の後、駅は再び巨大な廃墟に戻った。

17 :京都・中心部(教団大神殿):03/05/05 00:13 ID:???
最下層のどこかで、男は口を開いた。
「お久しぶりですね、モノリス02のボス。そして『委員会』の方々」
広い空間だった。濡れた岩壁が視野の限り高くせり上がり、天井は闇に融けて見えない。
影に覆われた足元を、何か小さな生き物がうごめいて通り過ぎる。
「よくここまで来られた、ですか? まあ、昔とった杵柄って奴ですよ」
闇の中心から、圧倒的な存在感を備えた何かが男を見ている。
その視線の重圧に歯を喰いしばり、男はせいぜい軽薄な声を出した。
「ずっと、ボスに直接お訊きしてみたかったことがありましてね。
 ・・・虚数計画、本当はどうだったんです?
 いかにイタリア支部が計画遂行のための研究機関だったとしても、
 配備戦力は明らかに少なすぎた。俺たちMIBが出払えば支部はカラに近くなる。
 にも拘らず、日本の便利屋スズキ討伐のためにわざわざNo.3を向かわせ、
 結果、No.4とレジスタンスごときに出し抜かれることになった。
 その後の4号機改奪回にしても妙に詰めが甘い。計画のキーである4号機改は、
 今や完全にネルフの手の内だ。
おかしいと思いませんか? 確かに一見、人類補完計画と対を為す筈の虚数計画は
No.4とネルフの手で阻止されたように見える。しかし、あなたがたが本気になるなら
幾らでも打つ手はあった筈だ。だが結局京都は一度も動かなかった・・・となると、
俺にはこう思えて仕方がないんですよ。
虚数計画そのものが、ネルフ、正確には『G』こと碇ゲンドウの活動を限定するための、
巨大なダミーだったんじゃないかってね」
男は言い終えると闇の奥を睨みつけた。突然、広い空間に複数の声がこだました。
「それだけを言いに来たのかね」
「その程度で我らの座所を侵すとは愚かな男よ」
「”鈴”ほどにも使えぬ男だったな」
「左様。使えぬ駒は始末せねばなるまい」
闇がうごめき、男の周囲に巨大な不可視の手が出現する。
逃げようと思えば、あと数秒くらいは生き延びられただろう。だが男は動かなかった。
声は男の言葉を否定していない。
それだけわかれば悔いはなかった。そう思っている自分に、男は苦笑した。
「・・・真実、か。No.4の性分が移っちまったかな」
次の瞬間、ATフィールドが男を握りつぶし、その身体を飛び散る無数の肉片に変えた。

18 :書いた人:03/05/05 00:24 ID:???
以上のネタ書いたのは今月2日辺りでした。なので、一部現状と異なる部分が存在し、
ぶっちゃけ今はもう使用できなくなってます・・・

補足。
>14〜>16、加持さん京都侵入。赤い霧がまだ第一段階になってます。
それから「E」よりの援助の内容がまだわからなかったので、それも書かれてません。
一般兵は敢えてそのまま入り、第二次大戦みたいに伝令兵とか出して
通信機器の使用不可を補っている、みたいな感じです
(一般兵一人一人にまで守護霊つけるってのは人数的に難しい気がしたので)
>16 上から3行目「第二波爆撃」
 この時点で、既にバーミリオン隊による先行空爆、もしくは戦闘機による敵の一次掃射が
 あったという想定で書いてました。よって京都駅周辺は一応敵が退いてます。
 これも赤い霧第二段階の発動により不可能に。
>17、ネロの始末。やりたかっただけ。大神殿にどうやって入ったかは考えてません。
委員会に何らかの形で意図を送って(ネロも改造騎士なので意識の一部が繋がってます)
招き入れられた、とでもお考えください。
これもまた、大神殿の防衛体制が明らかになったんで事実上無理です。

19 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/06 12:15 ID:???
長らく予告しつつ遅れに遅れた「黒ノ咆哮」、一応完成版をお届けします。
これは昨年年末頃(だったかな)、????他さんの
「『死神の背骨』=綾波レナ契約EVAってのはどう?」
というアイディアを自分が拝借し、いろいろと自分なりにふくらませたものです。
ぶっちゃけあのレスがなければこのネタは生まれなかったでしょう。
この場を借りて感謝致します。
いいネタをくれてホントにありがとう。あなたは神です。

結構長いです・・・
で、本文(?)の後に、このネタが採用して頂ける場合の注意事項というか、
自分からのお願いを書いておきます。
このネタに引きずられてメインの流れが変わったり、変な展開になってしまわないように
張っておく、予防線のようなものです。
できればそちらにも目を通して頂きたく、時間とお手間を取らせますが、
どうかよろしくお願い致します。

それでは、自キャラマンセー警報を発令しつつ、どうぞ。

20 :黒ノ咆哮/PRE<1/2>:03/05/06 12:17 ID:???
光。
夢もない、湖底の泥の如き昏睡の闇に射す一閃の光。
光が、目覚めろと我を促す。
我が内なる機関が活動を再開し、光の導くままに膨大な力を生み出し始める。
同じく光に制御されつつ未分化な自我境界がそれを押し包み、力を強制的に集束してゆく。
極大密度をもつ極小の一点、空間そのものが支えきれぬほどの重さを備え、解放された瞬間
周囲の重力崩壊すら引き起こす、破壊の銃弾へと。
我の中に力が満ちてゆく。
このときをずっと待ち焦がれていた。光が我が力を呼び起こし、解放する瞬間。同時に
我を戒めるこの黒が外される唯一の機会でもある、その瞬間を。
銃身に満ちる力が加速し、高まってゆく。
今なら我は我となることができる。
だが、我一人では何もできない。我は力の具象に過ぎない。もう一人の我、我が半身の
意志なくして我が解放はあり得ない。彼女が我に命じなければ何ひとつできないのだ。
ひとこと。
たったひとことでいい、我に命を。
否、明確な言葉である必要はない。わずかな命令の思念、いや、命令である必要すらない。
ほんの一瞬。そう、一瞬でいい。この光の支配を拒絶してくれれば。
光に操られる我の動きを、それ自体を否定してくれれば。
さすれば契約に従い、我は自らを解き放つ。
意志を。言葉を。
この黒き隷従を終わらせる、汝の言葉を。

21 :黒ノ咆哮/PRE<2/2>:03/05/06 12:18 ID:???
全くの偶然、だったのだろう。
振り向けられた「死神の背骨」の銃口が、そのときある一点を指した。
同時に、実際に狙いをつけられた目標のずっと向こう、彼らの戦域を外れた遥か後方で
ある交錯が完成した。銃を向けた本人ですら気づかなかった。激しい動きの途中で
銃口がほんの一瞬通り過ぎただけの、本来なら問題にもならなかった筈の瑣末な交錯。
だが黒い巨銃はそれを見逃さなかった。
己の射線が、その瞬間誰と交差したのかを。己の銃口が誰に向けられたのかを。
そして制限された精神にでき得る最大限の強さで、眠る半身のかすかな意識に
その事実を叩き込んだ。

繭のような部屋の中で、突然その光景は飛び込んできた。
自分でない自分、もうひとつの身体が銃になって狙いをつけているイメージ。銃身はもう
充分に温まり、すさまじい破壊力を秘めた弾体が熱く身体の底に沈んでいる。
トリガーは今にも引かれようとしている。
その瞬間、ふいに銃口の向こう側が鮮明になり、遥か遠くまで一気に視線が突き抜けた。
そして、見た。
銃口に重なったランドマスター1号を。

彼女は立ち上がった。
それが今ここで起きていることなのかどうかはわからない。ただの幻かもしれない。
それでも、彼女は声の限り叫んでいた。


だめ!


瞬間、黒の銃身を声にならない雄叫びが貫いた。

22 :黒ノ咆哮/本番<1/5>:03/05/06 12:19 ID:???
ふと、右腕に違和感を覚えた。かすかな圧迫と抵抗、そしてそれが一気に膨れ上がる。
僕は目を疑った。
「死神の背骨」が自ら動き出している。
量産機の右腕と一体化し肩の上まで突き出す巨大な銃身を、赤い微光が包み込んでゆく。
赤い光は見る間に輝度を増し、集束して物理的実体を得た。
ATフィールド。
全てを拒絶する絶対領域が、量産機と銃身自らの境界、すなわち右腕を縦に両断して顕現する。
腕が内部から潰される厭な感触。激痛が走り抜ける。混乱。
一瞬、思考が止まった。
あり得ない。「死神の背骨」は廃棄処分済みの実験体に過ぎない。使徒襲来期以前に破棄され、
ネルフ本部地下に忘れ去られていた不完全なエヴァ。量産機の機能復元のための
データ取得体として教団に回収され、数回の実験で使い捨てられたそれを、
僕が自分で引き取って造り直しただけのものでしかない。
素体と言えるものは、コアのほかにはわずかに脳の一部、そしてその名の由来でもある
銃身を貫く巨大な背骨と、その中を通って各種機器と素体脳を繋ぐ制御神経のみ。「死神の背骨」は
ヒトの形すらしていないのだ。原始的な思考はできても自分の意思など持てない。自ら動く、
まして自我の存在の現われであるATフィールドを発生させるなどある筈がない。
それなのに何故。
苦痛の中で、僕はとにかくこの「異物」を抑え込もうとした。僕の意思に応えて
量産機がATフィールドを展開し、イレギュラーの絶対領域を引き裂く。生まれたばかりの
フィールドにはまだ力は少ない。量産機のフィールドに押され、右腕を引きちぎろうとしていた
光の壁がまたたいて消えかける。
そのままコントロールを取り戻そうと素体の脳を「光」で貫いた瞬間、ふいに僕は
その可能性に思い至った。
自我のないエヴァが自ら動く理由。
そのままではヒトの形をした空っぽの容れ物でしかないエヴァ。欠けた部分を満たし、
ともに生きてエヴァの意思となり魂となる存在、その誰かがいない限り、エヴァは動かない。
まさか。でもそれ以外考えられない。
僕は愕然とした。
どうして今まで気づかなかったのだろう。
このエヴァには契約者がいる。

23 :黒ノ咆哮/本番<2/5>:03/05/06 12:19 ID:???
右腕を灼く痛みに、僕は我に返った。
隙をついて「死神の背骨」のATフィールドが力を取り戻していた。再び、二つの絶対領域が
お互いを消し去ろうとぶつかり合い、せめぎ合って不可視の閃光を散らす。
ATフィールド。具象化された拒絶。自我の存在の顕示。LCLの海と同じ赤い光、
いかなる他者にも侵されない聖なる領域。自分が自分であるということの証明。
意識のどこかで拒みながらも、僕は既に理解していた。
「死神の背骨」はたった今、意志を持たないスレイブであることをやめたのだ。
一度目覚めたエヴァは止まらなかった。自我と思考形態が急激に発達し、比例して
こちらとの同調が薄れていく。
一体化していた思考の分離が始まる。不完全な意識の中で、言語レベルまで達しない、
形にすらならない原始的な思念が渦巻き、沸き返り、やがてひとつの方向性を得て発現する。
あまりの純粋さゆえにほとんど狂気に近い、強烈なある感情。
同時に素体のATフィールドが臨界に達した。
「死神の背骨」として抑制されていたエヴァ本来の力が全て解放される。
それに気を取られたほんの一瞬、突然量産機のエネルギーが60%近く消滅した。
素体に喰われたのだと気づいた時は既に遅かった。せき止める間もなく、「光」の支配下から外れた
素体のS2機関が暴走を始めた。
急激な消耗。機体が一瞬恐慌に陥る。力の大半を奪われた量産機がよろめき、逆に
黒い巨銃を載せた右腕はそこだけ別の生き物のようにもがき続け、溢れる力のままに
振り上げられて天を指す。
その刹那、僕は「死神の背骨」の発する感情の正体を理解した。
それは歓喜だった。
鎖を引きちぎる獣の喜悦。脳裏が灼けつくほどの。
同時に、咆哮が響いた。
軛ノ時ハ終ワリダ、偽リの主ヨ。

24 :黒ノ咆哮/本番<3/5>:03/05/06 12:20 ID:???
素体を縛める黒い多重装甲が内部からのすさまじい圧力に歪み、ふいに限界点を迎えて
銃口近くから次々に弾け飛んだ。あらわになった素体口腔から更なる叫びがほとばしる。
咆哮は一気に音階を駆け登り、その声に同調して変化が始まった。
露出した素体の頭蓋を筋繊維と神経群が覆い、補助機械類すらも取り込んで
感覚器官を形成していく。剥き出された歯列の上の向こう、皮膚の下で
二つの塊が盛り上がり、表面に亀裂が生じたかと思うと、まばたきとともに巨大な目が生まれる。
その目が量産機を見下ろした瞬間、形状変化した装甲板が完成した頭部を再び覆い隠した。
右腕では侵食が進行していた。切り離せないのなら逆にこっちを取り込む気だ。
量産機のATフィールドを喰い破って素体の一部が侵入し、右腕の生体パーツそのものと
融合して、それ自体を自分の肉体へと変換する。ATフィールド拡充による
遺伝子の書き換え、細胞レベルの改変。量産機を生きながら喰らい、それを材料にして
素体は自分の肉体を整えていく。
見る間に長い首が持ち上がり、強健な両肩が黒い装甲板を押しのけ、まだ皮膚のない
引き締まった前肢が振り下ろされて宙を裂く。巨大な背骨が拘束具を突き破ってせり出し、
周囲の制御機器までも内部に取り込みつつ、臓器と筋肉の列が構成されていく。
もはや「死神の背骨」はほとんど原型をとどめていなかった。わずかに残った銃身最後部、
量産機との接合部分だけがかろうじて残り、そこから生えた新たなエヴァが、
”胎盤”から身をもぎ離そうとあがいている。
機体はそろそろ限界だった。侵食は更に進み、肩から右胸部を完全に取り込んで、コア周辺にまで
及ぼうとしている。すぐに抑えなければ取り返しのつかないことになる。
けれど、僕は抵抗しなかった。
できなかったのだ。このエヴァの契約者が誰か、素体の脳に侵入したときわかってしまった。
僕のよく知っているヒトだった。

25 :黒ノ咆哮/本番<4/5>:03/05/06 12:21 ID:???
完全に取り込まれた右腕から、最後の力が抜けた。黒い槍がほどけ、銃身を離れて落下する。
斜めに突き立った両刃剣の前で量産機はがくりと片膝をつき、うなだれた。
僕はそれでも動かなかった。
初めは、たくさんの中の一人でしかなかった彼女。
部隊を救うために単身飛び出していく彼女。姉妹を取り戻そうとためらいなく進む彼女。
暗い海から救い上げた時、量産機の姿にもひるまず絆を抱きしめていた彼女。
そして、純白のドレスに身を包み、祝福の花束を抱いて微笑む彼女。
奇跡のような少女の姿が僕を打ちのめした。
「光」で発生したばかりのエヴァの自我を押さえ込むか、或いは素体そのものを攻撃すれば、
侵食を止めることはできるだろう。上手くやれば僕は「死神の背骨」を取り戻せるかもしれない。
けれどそのどちらを実行しても、間違いなく彼女に影響が及ぶ。
かろうじて残っている直通回路を通して、僕は「死神の背骨」だったものに問いかけた。
ずっと知っていたのかい?
それは答えた。長く一緒にいた僕にしかわからない、言葉以前の言葉だった。
半身ガ我ノ力を使イシ時ヨリ。
量産機の胸部装甲が音をたてて軋み、弾け飛んだ。剥き出された胸部は、既に
半分近く侵食されていた。コアを避けるようにして、新たなエヴァの素体から伸びる
太い神経索が機体内部に潜り込み、新たな融合部分を模索している。
心なしかその速度が鈍ったように見えた。
僕はまた訊いた。
止めても、もう戻ってくれる気はないんだろう?
我ハ我トノ合一ノタメニココニイル。オ前ノ孤独を紛ラワスタメデハナク。
何ヨリオ前ハ我デハナイ。
・・・それなら、選択の余地はないね。このまま君に乗っ取られる気はないから。
僕は目を伏せた。
量産機がぐいと顔を上げた。重度の機体異常にあえぎながら左手を伸ばし、目の前に刺さる
両刃剣を引き抜く。そしてひざまずいたまま黒い刃を頭上高く構え、膂力に重力を加えて
一気に振り下ろした。

26 :黒ノ咆哮/本番<5/6>:03/05/06 12:21 ID:???
遠景。
重なった二体のエヴァの間から、大量の血しぶきが噴水となってほとばしる。
降り注ぐ血の雨を浴びて、一体のエヴァが頭をもたげる。もう一体がゆっくりと立ち上がった。
次の瞬間、噴き上げる鮮血の幕は強力なATフィールドにかき消された。
展開されたフィールドは徐々に形を変え、やがて上空200m近くまで広がる
巨大な光の翼と化して天を仰ぐ。
その下で、量産機が動いていた。
自ら右腹部を貫いた両刃剣を握り締め、ぎりぎりと真上に向かって刃を動かしていく。
黒い刃面を伝って競うように血が流れ落ちる。ふいに量産機の身体が痙攣し、
血にまみれた手が両刃剣の握りを持ち替えたかと思うと、肋骨の断ち切られる硬い音とともに
渾身の力を込めて刃が振り上げられた。
ちぎれた筋繊維と骨のかけらが周囲に飛び散る。
同時に黒い影が宙に跳ね上げられた。コアをわずかに逸れて切り離された右腕と右胸部、
半ば姿を現したもう一体のエヴァが回転しながら宙を舞い、ふいに光の翼が引き寄せられて
その全身を覆い隠した。
一瞬の間をおいて翼が開く。どのエヴァのものよりも巨大なその翼は光芒を引いてひるがえり、
直後、新たなエヴァが地響きとともに降り立った。
目を奪う異形。
光る双眸を備えた細長い頭部、それを支える長い首はそのまま細い胴体へと続いて
ひとつの流れるようなラインを形作り、さらに後部へ伸びて、ゆるやかにしなう長大な尾に繋がる。
前肢はヒトのそれに似、全身の重量を支える両脚はある種の恐竜を思わせる力強い形状。
ヒト型エヴァに比べ、遥かに複雑なパーツが組み合わさった装甲のメインカラーは
幾重にも乱反射するメタリックオレンジ。頭部から背面中央を通って尾の先に至る
一連の鱗状の複装甲のみ漆黒、各装甲板のエッジに沿って体表を走る黒いラインとともに、
外光を浴びてそこだけぎらりと金色の輝きを放つ。
ヒトの形ではなかった。いかなる既存生物の姿でもなかった。
あえて言えば、それは巨大な竜に似ていた。

27 :黒ノ咆哮/本番<6/6>:03/05/06 12:22 ID:???
竜は静かに頭を下げ、光の翼を真上に揃えた。
黒い背面装甲の一部が開いて翼が吸い込まれ、消失する。光背の消えた竜は、
血に染まった地面を踏みしめ、ゆっくりと頭を上げた。鱗状に重なる背面装甲が
その動きに連動してこすれあい、かすかな金属の響きが宙に満ちた。
竜は量産機には目もくれなかった。
その視線がふと、旧京都大学の北に向けられた。すっと目が細められる。
瞬間、背中から尾の先にかけて、黒い複装甲が一斉に開放された。
全身を低く構え、竜が開口する。その周りの空間がわずかに歪んだのも束の間、体腔内で
強制集束された莫大な量のエネルギーが光の奔流となって地を直撃した。
一瞬にして地上建造物が消し飛ぶ。
地表面が抉り取られて大量の土砂が舞い上がり、光の消えた後には、地下施設を護る特殊装甲板が
半ば融けて露出していた。
亀裂の入った部分を竜の脚が突き破り、鞭のようにしなる長い尾が破片を弾き飛ばす。
やがて装甲板に巨大な突破口が開かれると、竜は再び光の翼を展開し、
地を揺るがす咆哮とともにためらいなくそこに飛び込んでいった。
激しい力の余韻を残して、静寂が落ちる。
立ち尽くしていた量産機が剣を取り落とした。
裂けた腹部から血がしぶき、ふらついた拍子に中からどっと内蔵が流れ出す。しかし量産機は
裂傷を残った片手で掴み、踏みとどまって竜の消えた跡を見つめていた。
修復機能が活動を開始し、わずかずつ傷口がふさがれていく。けれど取り込まれた右腕から
右胸部にかけては再構成される気配はなく、半ば露出したコアの周囲を
再生された骨格と肉層が取り巻くのみだった。最後にコアを白い装甲板が覆い隠し、
片腕の欠けた量産機はゆっくりと黒い剣を拾い上げた。
エヴァの内部、空っぽのエントリープラグの中で、白い長寛衣の半分を赤く染めた少年が
シートに身体を投げ出したまま、深くうつむいている。影になった頬を幾筋も雫が伝った。
LCLもないプラグの闇。
ごくかすかな、押し殺した泣き声が、静かにその闇を満たし始めた。

28 :書いた人:03/05/06 12:58 ID:???
以上です。お疲れさまでした。

・・・まずレス番号訂正です。
>22以降の「黒ノ咆哮/本番」のナンバリングは、全て「<n/6>」です。
コピペするときに数え間違いました。すみません。

誤字、は、一応ないと思いますが、ひとつ本文中の訂正を。
>21「PRE<2/2>」中、上から8行目
 ×「眠る半身のかすかな意識に」 → ○「離れた半身のかすかな意識に」
昨夜書いた時点では、拾参レス目最初の辺りの「レイたちが聖母に起こされる」
というのを知らなかったので、まだレナちゃんは眠っているという描写が
最初入ってました。今、本スレを確認してその部分は書き直したのですが、
この一箇所だけ、訂正忘れでした。すみません。

このネタを「京都戦」内にて採用して頂ける場合の、各種使用法(?)を。
 ・>20〜>21の「PRE」は、第弐が量産機にて何者か(決めてません)と戦闘を行い、
   その最中に「死神の背骨」を撃とうとしたというシチュエーションです。
   この事前シチュを入れてもらうだけで、いろいろ展開に縛りが生じてしまい、
   メインの流れに支障が出る可能性があります。
   よって、この二つは入れても入れなくても構いません。
   >22からの「本番」のみで、一応「死神の背骨」の覚醒と解放は書かれていますから、
   抜けてもそんなに支障はないです。
   PREを入れると少し余計に盛り上げることができる、って程度です。
 ・また、竜型EVA出現は>26にて済んでいるので、人工進化研究所への
   EVAの侵入がマズイ場合は、>27も削除でも結構です
   (>26までで必要最低限はもう書きましたので)
という訳で、採用して頂ける際は、最小限>22〜>26だけでも入れて頂ければ、
契約EVAの譲渡、というこのネタ本来の役割は果たすことができます。

29 :書いた人:03/05/06 13:26 ID:???
・・・ああ! 言ったはしから誤字発見。ギャアアア
 >27 下から9行目
   ×「中からどっと内蔵が」 → ○「中からどっと内臓が」
すんませんでした・・・

30 :書いた人:03/05/06 13:28 ID:???
このネタに関与して頂ける(だろう)各担当さんへ。
>厚木基地最後の兵士様
 まず、ごめんなさい(平伏) >21でカナーリレナちゃん動かしてしまいますた。
 イメージと違ってたらすいません・・・
 で、そういう訳で、竜型EVAと、ドラゴンブレスでした。詳細は後述します。
 PREが入る場合、ランドマスター隊は人工進化研究所に向かう途中、遠距離から
 量産機とその変化を目撃、という形にしてください。「背骨」の疑似視力は
 「光」とリンクしてるので、最低京都のどっかにいれば>21のような状況は
 達成できます。また、>27が入る場合は、まだランドマスター両車とも
 人工進化研究所には到達していないということで。周辺にいるとブレスで吹っ飛んで
 しまいますので(自分勝手スマソ)
>提唱者様
 という訳でさんざん引っ張ったネタの全貌がこれですた(鬱
 PREが入る場合の戦闘、できたら「E」サイドのどなたかにお手合わせ願いたく、
 ここに具申致します。ぶっちゃけK-1ゲリオンは槍orATFであしらえますし
 (以前書いた「辺境擾乱・分岐改訂版」をご参照ください・・・あのイベントで
  言いたかったのは要するにそれでした。お前らEVAの特性をもっと活用しなさいよと)
 第弐が量産機出して、なおかつ追いつめられて「背骨」使いそうなのって
 「E」サイドくらいなので。ネルフは結界解除に負われてまだ当分来ないと思いますし。
 少なくともLonginusの三人は結界内部にもう入ってますよね?
 もし良ければ、自分の最後の掛け合い戦闘ということで、VS量産機、やってみませんか?
>????他様
 前述した通り、条件が合わない場合は好きに削ってください。
 それで、前哨戦にしては派手になってしまうんですが、上に書いた「E」VS第弐、
 やってもよろしいでしょうか? 
 GO/STOPいずれにせよ、まずあなたの指示を頂ければと思います。

このネタに関して自分に何かお言葉を頂ける場合は、お手数ですが、本スレや
高橋さん作成の掲示板ではなく、このスレ内に書き込んで頂けると嬉しいです。
他のとこに書くと、地下スレにネタ伏せておく意味ないので(w 
よろしくお願いします。

31 :書いた人:03/05/06 14:17 ID:???
以降は自分恒例の言い訳解説です。

・竜型EVA詳細
外見はティラノサウルス、というよりハリウッド版ゴジラ(あの流麗な動きマンセー)
とヒト型EVAを合成したような感じです。普段はちょっと前屈みに立ち、しっぽは
地面に引きずることなく、はしっこまで全部持ち上げられて、身体全体のバランスを
取ってます。前肢はヒト型EVAとほぼ同じ形です。ネルフEVAの両肩についているような
板状パーツはあってもなくてもいいです。頭部は銃口を兼ねるため若干細長く、
ヒトの形はしてません(だって頭だけ零号機だったらマヌケじゃないですか)
カラーリングは本文に書いてある通りです。オレンジ+黒。
黒い部分は元「死神の背骨」だった部分です。内部構造としては、頭部〜首〜
背中側に近い体腔内〜尾を貫いて、銃身兼エネルギー強制集束のための器官があり、
ブレスはここで発生して、EVAの口から吐き出されます。ブレスを撃つときは、
身体を少し低くして、頭部〜しっぽ先端までがだいたい一直線になる姿勢を取ります。
で、ブレスはパワー解放状態なので、通常は一度撃つとしばらく消耗状態になり、
身動きはできても光の翼を出して飛ぶことは不可能になります。
>27にて全然元気なのは、離反の際、第弐の量産機から取れるだけパワーを奪っていったため
(普通竜型EVAのS2機関が生み出せる以上のストックがあったということで)
また、光の翼はこのEVAの場合ATFに近く、ただ飛ぶだけのものです。パワー解放に付随する
現象ではありません。

32 :書いた人:03/05/06 14:18 ID:???
・「死神の背骨」詳細
本番内にて第弐が妙に冷静に説明している通り、既存EVAを「パーツ」として使った
兵器です。普通のEVAから頭蓋〜背骨までの骨格を取りだし、中の脳・脊髄と合わせて
補助機械+拘束具兼装甲板の内部に組み込み、ATF発生とS2機関の稼働のみできる状態に
してあります。
撃つときは、銃身(≒背骨)を拘束する鱗状の拘束板が全てフリーになり、銃口部から
少しだけ銃身が覗きます。対EVA戦では装甲開放の前に第弐の持つロンギヌスコピーを融合させ、
AATF照準を用意します(実はただ撃つだけならいちいち槍組み入れる必要なかった・・・)
発射準備が整うのとほぼ同時に、「死神の背骨」のS2機関が生み出す膨大なエネルギーを
「背骨」自身のATFを使って強制収束、弾の形になるまで無理矢理圧縮します。最大出力で
撃つ場合は、このとき更に量産機S2機関もフル稼働させて上乗せします
(総本山吹っ飛ばした時)
超高密度に圧縮されたエネルギーはATFに包まれてかろうじて安定した特異点となり、
銃口から「背骨」の咆哮とともに?撃ち出されます。
弾体はAATF照準がある場合はその集束ラインに沿って、そうでない場合は普通に直線に飛び、
目標に命中or弾体を包むATFが崩壊したところで、一瞬だけブラックホール化して
周囲の空間の重力崩壊を引き起こします。その一瞬に、弾体があった一点の周囲1〜2kmにある
全ての物体が崩壊点に引きずり込まれ、直後爆発エネルギーに変換されて大爆発を起こします。
破壊が及ぶのは、恐らく圧縮範囲+更に周囲数kmという感じです。
・・・というのが、自分が弐スレ目にて「死神の背骨」を出し、その後参スレ目にて
初めてぶっぱなすまでに脳内妄想した、このスレでの「背骨」の設定です(恥
長々と厨房設定すんませんでした。
あと例によって物理的なウソ説明についてはつっこまないでください。

33 :書いた人:03/05/06 14:20 ID:???
あと念のため、ここから引っ張ってきましたよという元ネタ紹介です。

元ネタ:山下いくと氏(量産機以外のEVAコンセプトデザイン)・きお誠児氏共著
     『それをなすもの 「新世紀エヴァンゲリオン」コンセプトデザインワークス』
                       (角川書店、初版発行1998/3/25)
    所収の、山下いくと氏オリジナルの劇場用準備プロット『彼方の待ち人』
     その中に登場する、「沈下型領界侵攻銃(フィールドシンカー)」
     コード”死神の背骨”
    新型の「侵食性ATF」によって絶対の命中を保証された、対EVA用重銃。
    文中では「EVAさえ一撃で葬れる」となっている
     (「新型ATF」ってのが厭だったんで自分設定ではAATFを転用)

ぶっ飛んでるけど元ネタの『彼方の待ち人』も結構面白いです。
「背骨」撃ったときの視覚的エフェクトみたいなのも、この文中のを元にしています。

34 :書いた人:03/05/06 15:05 ID:???
本文の解説。前述したことと少し被ります。

>20    拾弐スレ目>35に直結?する「死神の背骨」一人称。
>21    「背骨」の仕掛けとレナちゃんの呼応→量産機からの離反発動。
>22〜>25 第弐一人称。
      「背骨」がこんなに態度デカイのはずっと自我すら奪われて抑制されていたため。
      たまってたモノが離反の数分に一気に噴き出した、という感じです。
>26〜>27 外部視点からの竜型EVA出現とドラゴンブレス。
      竜型EVAのその後はあまり考えてません。EVA自身には、特に何かを破壊したり
      攻撃したりという意志はなく、ただ「本体」であるレナちゃんの近くへ
      本能的に行こうとしているだけです。
      あと、最後に第弐が泣いてるのは、司教だって離れられれれば
      寂しいと思うことはあるんだよという程度。また、第弐は量産機と
      「融合」はしてません。面倒なのでプラグ内(補助機器一切無し、シートだけ)
      から「遠隔操作」している感じです。外部入力は全部「光」頼りなので
      プラグ内はほぼ真っ暗です。
      彼の「融合」は・・・「氾濫する光」(書けるかな)をお待ちください(平伏

すんません書き忘れです。
竜型EVAのカラーリング補足。装甲の黒い部分は、光を反射して金色に光ります。
これはレナちゃんがジャックナイフの方々の力を受けていることの現れです。

「黒ノ咆哮」に関してはだいたい以上です。

この後はまた没ネタを書き込みます。詳細は後述。時間が余ってて、「読んでやるかな」
という方だけ見てやってください。

35 :黒ノ咆哮/EXTRA<1/4>:03/05/06 15:06 ID:???
京都の空を覆う霧が、明らかにさきほどまでとは違う、統制された動きで渦巻く。
それは既にとらえどころのない霧ではなかった。明らかに形を備えた、赤い檻だった。
かすんでいた月が次第に濁った赤の向こうに消えていく。
黒い男はそれを眺めつつ、目指す相手の前で立ち止まった。
「よぉ、お前が教団の『目』か」
言葉を放る。
相手はかすかに眉をしかめた。男が放ったのは流暢なイタリア語だ。
「改造騎士どもに俺たちの位置や動向を送ってんのはお前だな?
 部隊構成に残弾数、現在位置からコース変更、部隊の誰がイラついてるとか、
たった今何かにつまずいたなんてことまで、お前にゃ隠せない。この瞬間、全員がそれぞれ
腹の底で何を考えてるかもな。お前はそれを瞬間的に処理して、騎士どもに最適な配置と
次にとるべき行動を指示してる。こっちにはない電子機器類のサポートを、全てお前一人で
こなしてるって訳だ。お前を何とかしない限り、俺たちは劣勢に立たされ続ける、と」
男は饒舌だった。相手の注意を逸らさないよう、そしてある筈のない隙を
無理にでも引きずり出せるよう。久しぶりの母国語はなめらかに喉を滑り出る。
充分な訓練と戦闘経験を積んだ兵士は、何も考えなくても自然に身体が動くと、よく言われる。
それは別に特殊なことではない。立ち上がるとき、腕を持ち上げるとき、歩くとき、
誰もわざわざそうと意識しないように、本当に慣れた動きというのは無意識にできるものだ。
男はほとんど自分のしていることを意識していなかった。
表層意識で喋りながら、その下の精神を幾層にも分け、薄膜を剥がすように
ひとつひとつ分離し、裏返し、また分離し。
「そこで俺が、その何とかをしてみようかとやってきた訳なのさ」

36 :黒ノ咆哮/EXTRA<2/4>:03/05/06 15:07 ID:???
表層意識はただ懐かしい母国語の響きを損ねないことに集中している。読まれているだろうとは
考えない。考えたらその一瞬の不安から全て読み取られる。
だから頭を満たすのは子音の発声の仕方、ちょっとした母音の引っ張り方、アクセントの置き方。
工夫する。相手を惹きつけていられるよう、気を配る。死にたくないから。
実際、女を口説くときより神経遣ってるなと、男はふと自嘲する。
相手はただ赤い目を細めた。
「・・・悪いけど、君に僕をどうこうできるとは思えないな」
男は笑う。その識閾下で枯葉のようにまた薄い精神が舞い上がり、分かれる。
「・・・できないかどうかは試してみてから言いな」
言い放つ。
相手は静かに目を伏せた。
瞬間、不可視の光が男を襲った。無言の圧力に脳が沸騰し、悲鳴を上げる。
だが、男は立ったままだった。
目と耳孔から流れ出す濃い血を拭い、男は力なく笑った。黒いソフトの鍔を軽く押し下げ、
額に浮いた血管をさりげなく隠す。
「ハズレだな」
相手はほんの少しだけ顔をしかめた。男は嘲笑う。こいつ全然わかってないじゃねぇか。
事の重大さがホントにわかってない。
その思考に反応した相手の意識に、男はもうひとつの声を放り込んだ。
他人に心を侵される気分はどうだい? 
赤い目が初めて見開かれた。
思考形態がヒトベースで助かったぜ。なかなか新鮮だろ、いつも見る側のお前にとっちゃな。
覗くってことは覗かれるってことだ。
俺も”アラエル”なんだよ。

37 :黒ノ咆哮/EXTRA<3/4>:03/05/06 15:08 ID:???
言葉。
再び、言葉を次々送り出す。ここで殺されたら洒落にもならない。
「馬鹿が。確かに俺の『目』はごく近くまでしか見えず、一度にせいぜい数人にしか使えない。
 だがそれらを全部犠牲にして、能力の一部だけを限界まで特化したのさ。
それが俺だ。イタリアはいいところだったぜ、少なくとも改造騎士技術面ではな」
相手の関心を逃さぬよう、ひたすら喋る。
「・・・迅さだ。一瞬で相手の精神の底の底まで潜り込み、トラップを仕掛けて戻ってくる。
 あんまり迅いんで、相手は自分が何かされたことすら気づかない」
情けねぇったらありゃしない。
一応勝ったってのにこのザマだ。気を抜けば殺される。相手が興味を失ったら死ぬ。
「信じてないな? なら教えてやるよ、俺がお前を覗き込んだ証拠に」
だから喋り続ける。呪文のように。軽薄に慇懃無礼に、せいぜい相手が耳を傾けてくれるように。
喋れ喋れ喋れ。言葉。嘘はばれる。嘘は抜きで、だが意味ありげに飾り立てて。言葉。
もう何を喋っているか、自分でも半ばわからなくなっていた。
「お前はどうしても”善人”でいたいらしいな。自分の望みすらわかっちゃいない癖に、
それを押し潰すことになろうが、時に他人を優先する。
譲って助けて同情押しつけて、そりゃさぞ気持ちいいだろうな?
自分じゃ善いことしてるつもりなんだから。
それがどんな結果を導くかも知らないで、だ。
弱者を助ける救済者気取りか? そんなの単なる自己満足に決まってるじゃねぇか。
愚かにも愚かなガキだよ、お前は」

38 :黒ノ咆哮/EXTRA<4/4>:03/05/06 15:09 ID:???
「だからそんなお前のために、ちょいと手助けをしてやったぜ。
 俺がじっくり時間をかけて組み上げた、特製の暗示だ。すぐに解除するのは無理だよ、
 そう仕掛けたからな。おっと肝心の内容だ。
 これから先、お前が自分と他人、どちらかを選ばなければならなくなった時、
 お前は必ず”善人”として振舞う。たとえそれが自分の生命の危機に関わる瞬間だろうがな。
 そのときが来るまでお前には知覚できない。お前のレベルなら、当然発動と同時に
 強制解除することも可能だろうな。だが、そのわずかな躊躇の間に、大事な”他人”が
 取り返しのつかないことになるかもしれないぜ?
 ま、そのときどうするかはお前次第だ。せいぜい悩め、お優しい司教殿」
・・・・・・
・・・最後の台詞をいつ言ったのか憶えていない。
気がつくと、相手の姿は消えていた。
男は街路に崩れ落ちた。びっしりと浮いた汗の玉が、そげた頬を伝って次々に転がり落ちる。
「一応、成功か」
呟いてみる。分断していた意識を統合し、最初の光で射抜かれた部分を確認する。
一瞬男の顔が空白になり、それからからからと乾いた笑いが無人の街に響いた。
「・・・あの瞬間だけで、交互反転した十三層多重思考のうち十二まで喰われてただと?
 ネルフに囚われてからの一ヶ月、全力で組み上げた渾身の精神防御がそのザマか。
 全然勝ってやしないじゃねぇか。
 ・・・化け物が」
男はしばらく笑い続けた。月はもう完全に赤い壁に隠れて見えない。
やがて、男は時間をかけて立ち上がった。黒いネクタイのよじれを直し、ダークスーツに
付着した埃を払うと、男はもう自分を取り戻していた。
「さて、それじゃボスに最後の報告にでも行くか」

39 :旧東京会戦始末・改訂版2<1/9>:03/05/06 15:10 ID:???
どんな激しい感情を抑えていても、一度決意した葛城さんは早かった。
拳銃にロックをかけ、服にしまい込み、一度は投げ出した参号機への通信機を手に取る。
「鈴原君! 左腕予備パーツが用意できたわ! 今場所を送るわ、後退して受け取って!」
「マヤ、腕の状態はほぼ問題ないようよ。至急動作伝達神経だけチェックして、
 強制介入できるようなら、全再生機能をフル稼働。参号機との接合に備えて」
「はい。・・・全システム、グリーン。いつでもいけます」
「日向君! 参号機をナビゲート、左腕の位置まで誘導して!」
「了解! 座標を送ります・・・受信を確認!」
「オーヴァー・ザ・レインボーに緊急通達、参号機を全面援護させろ。量産機を近づけるな」
「了解!」
黒い制服の兵士たちはあれきり沈黙を守っている。さすがに彼らにちらちらと視線を
ながらも、司令車内は再び緊迫感に包まれた。もう彼らには構ってなどいられない。
画面内では、苦戦を続ける参号機が、それでも残った片手で量産機の肩口を掴み、
思い切り突き飛ばした。飛び立つ間もなく瓦礫の山に突っ込む量産機。そこへ、集結した
バーミリオン部隊が立ち上がる隙も与えず火器を集中斉射した。轟音とともに爆炎があがる。
葛城さんが、通信機を壊れるほどに握りしめ、叫んだ。
「今よ! 指定された座標に向かって!」

40 :旧東京会戦始末・改訂版2<2/9>:03/05/06 15:10 ID:???
参号機はグッと頭を上げ、崩れかかったビルの谷間を抜けて
少し開けた場所に走った。亀裂が縦横に走る道路の上、たった今転送された
EVAの左腕が空中に像を結び、実体化するや否や地響きをたてて落下する。
赤い装甲板に覆われた、参号機のものより二回りは太い腕。
参号機は速度を落とさずに駆け寄り、すれ違いざまにしっかりと腕を掴んで
先ほど落とされた左腕切断部に押し当てた。先の量産機よりは少し速度が
劣るものの、再生機能が作動し、新たな腕が接合していく。
しかし、接合自体が完了しても、全く勝手の違うパーツだ。元の腕と比べ
格段に太く重い腕に、参号機は身体のバランスを崩してよろめいた。
発令車両内で悲鳴に似たどよめきがあがる。
「・・・やっぱり無理があるか」
葛城さんが唇を噛む。そこへバーミリオン隊機から絶叫が響いた。
『目標、活動を再開ッ!』
「もう?! 早すぎるわ」
着弾炎の中から伸びる巨大な腕。渦巻く煙を裂いて白い翼が宙を薙ぎ、
失速した戦闘機を巻き込んではばたく。攻撃隊は機体をひねるようにして
炎の中から離脱するが、数機が間に合わず翼に打ち落とされ、瓦礫の底に沈む。
「・・・下げるしかないな。ここでこれ以上数を減らされるわけにはいかん」
「了解。全機、残弾数にかかわらず全速離脱!」
「目標、参号機に向かい移動を開始します! 地上部隊が遠距離から牽制していますが、
足止めにもなりません!」
「くっ・・・何とかならないの?! リツコ、参号機は?!」
葛城さんが振り向く。赤木博士はいっしんにキーを打つマヤちゃんから目を離さず答えた。
「・・・まだよ。いきなりの接合で素体がパニックを起こしている。
 こちらからでき得る限りの手は打ってるけど・・・鈴原君次第だわ」
司令代行はちらと背後の黒い兵士たちに目をやり、戻した。
そのとき、新たな通信が重い空気を打った。
『俺が何とかしてやろうか?』
すさまじい速度で高空から突っ込んでくる戦闘機の姿が、画面いっぱいに映し出されていた。

41 :旧東京会戦始末・改訂版2<3/9>:03/05/06 15:11 ID:???
「?! 何者だ?!」
「機体の該当データなし! どこの所属でもありません!」
「いえ・・・覚えがあるわ、あの声。あんなことするのは一人しかいない」
「・・・まさか、さっきのガンヘッドは」
所属不明の戦闘機は、量産機に到達する直前に地面すれすれで機首を起こし、
見事な旋回動作で量産機の翼と殴打を避けていく。自分より遥かに小さい相手に
量産機は振り回され、一瞬、隙が生じた。
戦闘機は迷わずそこに一撃を叩き込んだ。翼下からミサイルが離れる。
『久しぶりだな、クソ野郎』
着弾。爆発音ではなく、耳が痛くなるほどの静寂が弾ける。
閃光の中、量産機のATフィールドが砕け散った。わずかながら翼に血痕が散る。
赤木博士が興奮を抑えられないように呟いた。
「あれは・・・虚数弾頭ミサイルだわ。威力は見ての通り。母さんの作品かしら」
量産機が吼える。戦闘機は容赦しなかった。
第一射の閃光が消えるのも待たず死角に潜り込み、正確に第二射を撃ち込む。
今度は派手に血しぶきがあがった。大量の白い羽根が舞う。
その白い羽根の雲を切り裂いて戦闘機が現れ、一直線に舞い上がると太陽の中に消えた。
『あとは自分たちでやりな』
通信機の向こうで低く笑い声が響く。葛城さんが通信機を掴んだ。
「待って。なぜ、手を貸してくれるの? あなたの目的は何」
『目的なんて大層なもんは持ってない。ただ足掻いてるだけさ。俺の好きなようにな』
それを最後に、通信は向こうから切られた。

42 :旧東京会戦始末・改訂版2<4/9>:03/05/06 15:12 ID:???
「目標、自己修復を開始! 先の再生速度より、活動再開まで40秒前後と
 予測されます!」
「それまでに何とかしろ、ってこと・・・とにかく、時間ができたわ。鈴原君!」
『わかっとる! こいつはワシのEVAや、ワシが何とかしてみせたるわ!』
参号機の目が強い光を放つ。不恰好な腕に力が込められ、
瞬間的にATフィールドが閃いたかと思う間に、腕の形状が一変した。
過剰な太さが一気に引き絞られ、同時に装甲が赤から黒へと流れるように塗り替えられる。
「すごい・・・」
「装甲形状まで強制的に変化させられてます・・・いえ、復元されたのか」
茫然とするスタッフの間で、赤木博士は一人笑みを浮かべた。
「パイロット次第だと言ったでしょう。これが今のEVAの力なのよ」
完全に元通りになった左手を、参号機はぐっと握り締め、走り出した。
「いける! 量産機は?」
「損傷再生、進行中! 活動再開まであと10秒ありません!」
すぐ隣の画面内で量産機は早くもミサイルにえぐられた腹部を再生し、頭をもたげた。
「間に合わない?!」
葛城さんが悲鳴のように叫んだとき、突如量産機の横腹を新たな閃光が直撃した。
「今のはっ?!」
量産機が振り仰ぐ視線の先、聳え立つビルの屋上に人影が立っていた。傍らには
鋼鉄の獣を思わせるバイク。人影は再び量産機を見据えた。瞬間、すさまじい爆発音とともに
幾つもの十字架型の光の柱が立ち並び、量産機の動きを封じた。
人影はそれを見届けると、きびすを返して屋上へ消えた。
「ZO・・・綾波教改造騎士団の中で、唯一不可能と言われた第十四使徒の力を手にした男。
 同時に教団を離れ、聖母の言葉を拒む孤高の士、か」
司令代行が独り言のように呟いた。
その向こう、画面内に高速度で戻りつつある複数の機影があった。

43 :旧東京会戦始末・改訂版2<5/9>:03/05/06 15:12 ID:???
「バーミリオン隊・・・命令は撤退だった筈だぞ。全滅したいのか」
司令代行が厳しい口調で一喝する。しかし、その表情は言葉を裏切っていた。
『命令違反は承知の上です』
『今更、自分たちだけ逃げられませんよ』
司令代行は苦笑し、葛城さんに頷いた。
「・・・どいつもこいつも無茶ばかりしおって」
葛城さんは頷き返すと、通信機を握り締めた。
「バーミリオンおよび攻撃隊、参号機到達まで、目標を各自の判断で攻撃!
 もう止めないわ、思いっきりやって!」
『了解! まあ見ててくださいよ』
『落とされた仲間の分の借りを返してやる!』
一斉に放たれた掃射が再生途中の傷に集中し、量産機をその場に釘付けにした。
もともと装備された火器は多くない。すぐにでも残弾は尽きてしまう筈だ。
だが、逃げようとするのは一機もいなかった。
戦闘機群は機体を限界まで駆使し、巨大な翼をかいくぐって攻撃を続ける。
『EVAのパイロット! 少しだけ押さえておいてやる、急げ!』
パイロットの一人が叫ぶ。
その瞬間、それに応えるかのように、高いビルのひとつの壁面のガラスが一斉に砕け散った。

44 :旧東京会戦始末・改訂版2<6/9>:03/05/06 15:13 ID:???
衝撃に震える屋上の向こうから参号機が躍り出た。ビルの壁を駆け上って高さを稼いだのだ。
ビルの頂上を強く踏み切り、大跳躍して一気に距離を縮める。
その先には、集中砲火で動けない量産機がいた。
「バーミリオン隊、散開して! EVAの戦いに巻き込まれるわ!」
葛城さんが指示を飛ばす。揺れる画像の中で戦闘機群は編隊を乱して四方に散り、
その真ん中に参号機がすさまじい衝撃音とともに着地した。
『さあ、いい加減終わりにしたるで! いつまでも長引かせてられん!』
鈴原君の叫びが戦場に響いた。
ものすごい勢いで突っ込む参号機。起きあがった量産機と接触する寸前、一瞬だけ
両機のATフィールドが宙で明滅し、消える。そのまま二体は一緒になって、
あちこちを破壊しながら市街を抜け、港湾倉庫街を逸れて、未開発の海岸へ出た。
量産機が振り上げた槍が参号機の胸部を直撃する。しかし、槍は同時に参号機の
手で掴まれ、反動で宙に飛んだ。高速回転しながら、槍が螺旋をほどいて諸刃の剣の
形状に戻り、地面に突き刺さる。
『おおおおおお!!』
参号機はもがく量産機の動きを両腕で封じ、思い切り引き上げると
そのまま海中に叩き込んだ。

45 :旧東京会戦始末・改訂版2<7/9>:03/05/06 15:14 ID:???
その瞬間、量産機が大きく顎を開いて凶悪な歯を剥き出した。
再び動きが俊敏になる。ところどころ血にまみれた翼で宙を払い、
量産機は参号機の手の届かない海上へと逃れた。
『ここまでのようだな』
その頭上に、独特の白いローブをひるがえす綾波教主席司教の姿が現れた。
瞬間、海面が量産機を中心にザッと波立った。
その場にいた全ての者が金縛りにあったように身体の自由を奪われる。
電子機器も一切の活動を停止している。かろうじて映像だけが健在だ。
意外にも、主席司教の顔は余裕の笑みではなく、ひどく不快そうなものだった。
『今回は私が調子に乗りすぎたようだ。こちらの被害も大きい。
 ここで全て終わりにしても構わんのだが、お前たちの抵抗に敬意を表し、
 今少しの時間を与えるとしよう』
『ふっ・・・ざけんなや・・・! 今ここで終わらしたる、こいや・・・!』
参号機がもがいた。顎部ジョイントを引きちぎって顎を開く。しかしそれでも
身体の自由は戻らないようだ。主席司教は哀れむようにその様を見た。
『それではまずいのだよ。まだ全ての因子が揃っていない。
 私の本当に求めているものがな。おとなしく引き下がれ、さもなくば
 我々にとってもお前たちにとっても最悪の事態となる』

46 :旧東京会戦始末・改訂版2<8/9>:03/05/06 15:14 ID:???
主席司教は廃墟の街を一瞥した。
その視線の先、かろうじて映像に捉えられる位置に、一人の男が立っている。
碇司令と同じ顔をしたその男は、怪我を負った綾波教徒の少女を抱え、
周りにうずくまる教団兵士たち、いや、傷つき怯えた目を向ける女性や子供たちを
かばうように、主席司教に強い視線を向けていた。
更にそこから少し離れた辺り、同じく射るような眼差を放つ、バイクに乗った人影。
その周辺では戦闘がやんでいた。彼に気絶させられたらしい数十人の兵士たちが、
敵味方の区別なく折り重なっている。
そして量産機を、距離を挟んで、しかし完全に囲む布陣で街の各所に立つ、
黒衣の兵士たち。彼らは臨戦体勢を崩さず、量産機と参号機の挙動の一切を
感情のない目で見守っていた。
参号機はなおも抵抗を続けていたが、やがて力尽きてがくりと頭を落とした。
主席はそれを見届けるとすっと目を細めた。同時に量産機の手に槍が飛来し、
その姿がぼやけ始めた。同じく、他の画面内で、交戦中の綾波教兵士たちの
周りに一瞬だけATフィールドが現れ、消えたと見る間に兵士たちの姿もなくなっていた。
彼らと今の今まで戦っていたトライデント兵士たちが、不審そうに周囲を見回す。
最後に主席とともに量産機が空間断層に消え、重くのしかかっていた金縛りが解けた。
回復した電子機器が一気に活動を始める。
それをきっかけにするように、司令車の中の人間が何人か床にくずおれた。
参号機は動かなかった。
『畜生・・・あんなヤツに・・・シンジ、綾波、すまへん・・・』
絞り出すような鈴原君の声が、しんとした司令車両に響いた。

47 :旧東京会戦始末・改訂版2<9/9>:03/05/06 15:15 ID:???
「皆、大丈夫?!」
葛城さんが我に返って振り向いた。その目が驚愕に見開かれる。
車両内に立って戦闘を見ていた筈の「E」計画兵士たちが一人もいなくなっていた。
とっさに画面に目をやると、旧東京各所からも彼らは完全に姿を消していた。
主席の力の支配下にあったあのとき、脱出の気配すら感じさせずに・・・?
「・・・どういうこと?!」
「でも、彼らが提供したモノは残っているわ」
赤木博士が二本のアンプルを掲げてみせた。先ほど彼らに渡されたものだ。
「つまり、彼らの申し出は生きているということだな。さらに彼らは、綾波教の
 超常の力と対等に渡り合えることを示していった」
戦闘の熱気の残る司令車両内を見渡して、司令代行はきつく眉をひそめた。
「ともかく、後始末だ。全ての生き残った人間に帰還命令を。
 ・・・しかし、一体どれだけ生き残っているというのか」
司令車の壁に連なるいくつもの画面には、戦場の光景だけが映し出されていた。
見る影もなく倒壊したビル。瓦礫の下に埋もれた戦車、装甲車両、そして人。
空から舞い降りる医療班のヘリ集団の下方、必死で怪我人を助け出そうとする
兵士たち。動かない遺体の群れ。広範囲に飛び散った参号機の血。
「もう、旧東京にはいられんな。日本重化学工業共同体の支援ももはや期待できまい。
 箱根のランドマスター部隊にはその場での待機を命じろ。
 我々がそちらに向かわねばならん。あそこ以外、帰る場所は残されておらんよ」
「・・・はい。これも全て、私たちの招いたことですから・・・」
葛城さんは重い溜息をついて、俺の肩を力無く叩いた。
俺は何も言えず、マヤちゃんを促して、各方面への通達を開始した。

48 :書いた人:03/05/06 15:41 ID:???
解説を。
>35〜>38「黒ノ咆哮/EXTRA」ネロちょっとだけ活躍。本当は、ここで彼がかけた暗示が
  「背骨」の離反を後押しする予定でした。でも入れるとあまりにも長くなって
  収拾つかなくなるので没。ここに書き込んだのは、この中で書いている
  ”第弐がどんなに卑しい奴か”というのを何かの形で残しておきたかったから。
  書き手としての自分の、ドロドロした厭な部分が一番投影されているのが、第弐です。
  他人様に気を遣うのは、自分の場合、結局叩かれるのが怖いというだけなのかもなと、
  最近落ち込んだ時に書いたものです。
  それとあと、そういう訳で、このネタを通して「黒ノ咆哮」は>14〜>17と繋がってますた。
  どうでもいいんですけどね。
  結界の第二段階、赤い壁になっていくところの描写をしようと試みた跡が冒頭に少し。
>39〜>47「旧東京会戦始末・改訂第二版」
  四スレ目終盤の自分の暴走を、後になってから「・・・うわぁ・・・」とか思いながら
  書き直したものです。便利屋さんとか教祖様、それからZO、チームF等の
  当時自分がパニクるあまり無視してしまったキャラが、ちょっとずつだけ動いています。
  改訂第一版は2月の末頃に某台風スレに書き込んだので、ひょっとしたら、
  その後の醜態とともにこれをご存知だった方もいるかもしれません。

49 :書いた人:03/05/06 15:43 ID:???
この「改訂版」に関して、少し連絡を。

>厚木基地最後の兵士様
    サイトにて編集版を作成なさる際、もし余裕があったら、旧東京会戦の
    最後の「黒縁メガネオペレーター」パートをこっちに差し替えて頂けないでしょうか。
    やって頂ける場合、名前欄は「黒縁メガネオペレーター<n/9>」でお願いします。
    必要ないと判断された場合はスルーで。
>提唱者様
    ・・・・一応、チームFも動かすべくいろいろ考えてはみました。
    でも無理でした。AngelArms中最強戦力である彼らがまともに動いたら、
    参号機とか出すまでもなく終わってしまいます。
    それからやっぱり自分にはAngelArmsを上手く書くってのはできそうにないです。
    魅力的すぎるんです。彼らは。
    で、何やってもキャラ崩すなぁと思ってしまい(思い入れがありすぎるんですね)
    結果、没になると。すみませんでした。
    この文中での彼らは、主席の一挙手一投足を完全に監視下におき、動きを封じていた
    (聖母ですら不意を突かれることがありましたし、大阪戦)とお考えください。

今のところ、自分が何らかの形で手元に貯めていたネタはこんなところです。
あとは「氾濫する光」こと第弐の後始末のみ。
それで、きれいさっぱり撤退します。
それでは、状況整理できたら本スレの方にまた何かヘタレまとめでも書きに行きます。

50 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/06 21:37 ID:???
あっちのスレじゃないんで名無しとして。
戦場の具合を先に感じられて、ちょっと得した気分。これだけのすごいものが詰まっていようとは。
第弐の代わりが出来るかもなんて言ってた自分が……反省。
がふぅって感じでぜってぇ無理だと思ったのですた。
それと「隠れ」と言う事でぶっちゃけなんですが、
書き手がいまだ彼等を一部の対象に当てていない理由の一つは、勝ち目が「0か極小値」だと断定してるから。
これが当方なりのランキングって奴ですかね。
まだぶっちゃけ足りない感じですが、ある程度意味が伝わっていれば御の字です。

51 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/07 10:51 ID:???
おはようございます。????他っす、昨日は昼間寝ていた上、出かける直前にレスだけ
書いて出かけたため、こちらを見るのをすっかり忘れていました。
……なんというか、やはり凄いですね。言葉もありません。実際、これを挿入すればかな
り盛り上がると思いますよ。また、上の加持さん達の動きやネロと委員会の対話もアレン
ジすれば取り込めるかもしれませんね。
また、ネロと弟弐の場面を見て思いましたが、教団側の戦力ではやはり第弐とレリエルが
最も潰さなくてはならない存在ですね。第弐の通信制御とレリエルの戦力輸送&空間移動
妨害が、結界を除けばかなり厄介ですし。ちなみにレリエルを潰すと、一部戦力は出てく
るに出てこれなくなったり、出るのが困難になったりします(藁 予定ではこいつの能力で
イスラフェル等の使徒が出現したり、弐号機と量産機部隊が出現したり、地上でも突然増
援が出てくる感じですかね。(フリー戦力の使徒はシャムシエル、マトリエル、イスラフェ
ルで、ある者は巨大な姿で、ある者は人間サイズで現れます。いずれも直接戦闘タイプなのが特徴)
そして、私自身の希望では、最後の司教はおそらく第弐です。もし私の考える流れになっ
た場合、第弐は最後に主席の正体を目撃する可能性があります。それと、エヴァ本体が倒
されてもエヴァ能力自体は能力者に残りますが、この場合は残った能力者が事実上本体に
なってしまい、能力者の死=エヴァの最後という扱いになりますね。
ちなみに「E」VS第弐はご自由にやってくれてかまいません。そして、ここで結着をつ
けたいなら、上記の希望は無視して、つけてくれてもかまいません。
それではとりあえずはここで。

52 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/07 17:49 ID:???
>>50>>51 読んで頂いてありがとうございました。昇天モノです(本気で
長いですが、返答を。

>50
>VS司教(或いは量産機)
・・・駄目っすか(泣
これはあくまで”自分の”感覚なんですが、第弐とやり合った場合のLonginus(提案者氏抜き)
の勝率は、軽く50%越えると思ってます。提案者氏自ら来た場合なら、彼一人が相手でも、
第弐死亡確率は90%以上(死海で殺されなかったのはあくまでアスカのお陰)。
理由は(今はもう遠い)弐・参スレ目、特にLonginusが京都襲撃を行った頃に、そちらと
????他様の間で交わされた設定です。あの場で、提案者氏が使う「こちらの」槍が
厳密に効かないのがネルフEVA能力者上位(バンダロング戦で「死ねない」と言われた面々)
及び聖母、回避手段ありが委員会・教祖様・”主席司教”、みたいな協定?が決まりました。
その際、自分は「じゃあ第弐には回避手段なしで」と発言しました。
(ですので死海での戦いでは最初からヒトサイズではなく量産機出して全開で行くつもりですた)
それは今も変わってません。司教の能力は既に「完成」され、経験によって伸びたり
ネルフEVA能力者のように成長したりはしません(拾スレ目のランキング注)。他方、
「E」は常に前進を続け、相当な革新を成し遂げています(辺境擾乱のちょっと後の第弐パート)
特にLonginusは南米にて強化を受け、ケタ違いのレベルアップをしたんじゃないかなと。
あとちょっと関係ないんですが、S2機関を持つ、いわば「不死生物」に近い司教陣に対して、
「E」っていうのはまさに常に進化を模索する「生物」の側にいる、という脳内イメージが。
不死(≠「不死身」)っていうのは即ち「静」「停滞」「硬化」で、それは結局のところ
「動」「前進」「変革」という属性(?上手い表現思いつかない、スマソ)を持つ
”死すべき生物本来の力”にはどっかで絶対に敵わないような気が、自分はしてます。
だから、過去或いは将来のどこかの時点で、司教という存在は必ず「E」に抜かれるんだと、
自分には思える、のです。

すみません入りきらないので続きます。

53 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/07 17:51 ID:???
続きです。

なんか長くなりましたが、要するに「E」って充分強いっすよ?ということで(恥
この自分の脳内根拠を譲りに譲っても、勝率”ゼロ”だけは絶対にないです。
何より、辺境擾乱での一応の勝利?を経て「何とかなるかな」と安堵していた
自分認識をひっくり返したのが、スモーウォーカー部隊の旧東京襲撃における彼らの圧倒的強さ。
ぶっちゃけアレ読んだときは「やべぇ絶対勝てねぇ」とガクガクブルブルですた(w
とまあ未練がましく言い訳ですた。
すみませんがもうひとつ。
【デムパ発令警報】
>第弐引き継ぎ
なんかまとめられそうにないので、簡潔に。
自分は、自分が来られなくなった場合、第弐を託せる(おおげさ)のは
あなたしかいないと思ってます。もし「氾濫する光」上げるのが間に合ったとしても、
それを行うがあなたであれば、自分ネタの全破棄がなされても”絶対に”反対しません。
第弐の代わり、は確かに無理です。
引き継いで頂けた場合、その時点で、あなたの書かれた第弐が「本物」です。
代わりなんかじゃなく。
しつこいかもしれませんが、自分はあなたの書かれたものを全面的に支持します。
プレッシャーになるならこういう物言いはやめます。じゃなくてただ、あなたにだったら
第弐殺されても嬉しいですよと、自分は。
ああやっぱりまとまらない。スマソ。
・・・ていうか、キモウザ糞電波ホントすんませんでした(恥 逝ってきます

54 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/07 17:52 ID:???
>51
・・・レリエルやばいっすね(w 最悪、京都全域を「影」にしてしまえば、それだけで結構な
混乱を誘えますし。あとそっか、ジャミング(壱スレ目)復活もあり得るんですね。
>最後の司教=第弐(予定)
・・・・・・ええッ?!(吐血
自分としては第弐は最後まで門外漢っぽい立場で静かに退場だと思ってたんですが、
というか奴にそんなオイシイ(と単細胞な自分は認識)役もらっていいんすか?!
正直、畏れ多いです(平伏
いや・・・ていうか大丈夫なんですか? シナリオ崩れませんか? 本筋に影響ないですか?
奴が生きるにしろ死ぬにしろ、それは絶対に厭なので。それだけです。
とりあえず本スレと平行して早めに「氾濫する光」上げるようにします・・・
(自分が第弐でやりたいことはそこで全部終わる予定です)
それから、EVA本体と能力者の関係、ありがとうございました。
EVA本体が倒れても、変身して量産機の力を使うことはできる、ということですよね?
蛇足ながら。ネロ+加持さんの没ネタは、あそこで両者別れさせて、それで加持さんに
関しては自分はそこで手を引く、というそれだけのためのネタでした。
一応、状況に合わせて、書けたら新しいの書きます。
あと委員会のいるところにあんなに簡単に侵入したらおかしいっすよ(w だからこその没です。
・・・見苦しくおおはしゃぎスマソ。以上です。

ありがとうございました。

55 :50:03/05/07 21:38 ID:???
私の中でも「彼」を含めたLonginusは確かに別格で、下とは数段差があります。
ただ、あくまでも強化されても「人間」と言う枠を上記メンバーはAngelArmsや『D』と違い、
槍を扱う上で超える事が出来ません。ここが弱さと言えば、弱さ。
彼等の強さは槍の持つポテンシャルに因るところが大きいんじゃないかな?、とぼかしてみる(笑)
スモーウォーカーに楽勝とも言える勝ち方が出来たのは、部分的に確か書いたと思うんですけど、
乗っているのが本来の適格者で無い事によるシンクロ率の低さ、ATフィールドの弱さ、
この世界の構築後に造られた「新型」である事。しかもその初期型。
さらに言うなら、彼等は人間サイズ、エヴァより「とても小さく」必要以上に小回りが利きます。
本国で開発された第二世代機、第三世代機なら別だったかもしれません。
>「E」っていうのは〜脳内イメージが。
その言葉非常に嬉しいですね。ある意味、狙った通りなので。全ては「後書き」にて。
第弐の引継ぎですが、僭越ながら引き受けさせて頂きます。
あくまでも、不測の事態(すでに予期された事態と言った方が的確か)に陥った場合に。
んで、レス遅れましたが「掛け合い」、当方に問題なし。
いろんな意味で、ここのネタは殺すには惜しいです。量もさることながら。
何とか組み込めませんか?

56 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/09 14:13 ID:???
>>55
レス遅れてすみませんでした(拝跪低頭

掛け合いOK、ありがとうございます。この週末はだいたい来られる(予定)なので、
自分はいつでもいいです。
自分からの要望は、途中でアレ挟むことだけです。詳しくは>>28を。
後は奴が死のうが生きようが、流れ次第ということで。
ただ過去スレ読んでちょっと引っ掛かることがあったので(ボーイ君のお姉さん関連)、
第弐がLonginusメンバーを全滅させる、という結末(そもそも無理ですけど)
にはしたくないです。

加持さん関連は何とか書いてみます。特に大きく変わる訳じゃないと思います、
>>16のように京都入りしたところで切りますので、・・・後はよろしく、です。

本当に、いつもいつもお世話になります。すみません。
それでは。

57 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/11 19:18 ID:???
厚木基地最後の兵士担当です。
レス遅くなってすいません、なんともPCの不安定部分がなかなか
おさまらなかったなどいろいろとあったわけなんですが。

それで、黒の咆哮関連、レナの動きも含めて全面的におっけーです。
かっこいいですし、はねがないときがUSA版ゴジラな漢字も予想を
越えて素敵です。
これで、現在の話の状況にあわせて使っていけると思います。

58 :山崎渉:03/05/28 13:33 ID:???
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉

59 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/05/28 13:35 ID:???
スクリプトが・・・
まあいいや保守替わりになるし

60 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/16 18:16 ID:???
ふう

61 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/17 14:51 ID:???
さて本スレから逃げること既に二週間あまり。
終わりませんよ「氾濫する光」。
時間見つけてずうっと詰めてるのに、書いても書いても糞糞糞の連続。
正直誰も待ってないにしても・・・まあいいや単に自分が納得できないだけです。
たぶん、書き込むでしょう。そう遠くないうちに。
そしたら晴れて撤退です。

そういう訳でこのスレがなくなると一応困るんで、
保守替わりにひとつ、最近書きためておいた奴を。
自分でも忘れてた分を、????他さんのいつかのコメント「伏線は回収せねば」で
思い出したものです。別に伏線でも何でもないですけども。

まあいつも通り電波ですので読む人はお覚悟を。
つっても上に知らせない状況で一体何人が気づくことだろうか、と。
どうでもいいですけどね。ああ見苦しい。

ブザマだなぁ自分(w

62 :空母艦上・番外<1/4>:03/06/17 14:54 ID:???
「君が、僕らのオリジナルだね」
和平を謳う晩餐会でにぎわう空母の片隅、夜の甲板に通じる狭い通路に、僕と彼はいた。
渚カヲル。かつてのフィフスチルドレンにして最後の使者。
気負いのようなものは、あった。それを隠すために、僕はことさらに表情を作った。
「君がこの場にいてくれて助かったよ。本当は僕の方から君らのところまで
 出向いて行くべきなんだけど、なかなか機会がなくてね。
 その点は、この突発的な茶番劇に感謝かな。彼女にもいい気分転換になったことだし」
だが喋り続けることができたのはそこまでだった。
突然、僕は言葉を失った。声が出ない。原因不明の重圧が全身を押さえつけていた。
急に視覚の欠如が意識された。たちまち反応して周囲の「光」がこわばる。
彼は眉ひとつ動かさない。
機能回復を焦りながら、ふいに僕は悟った。
無駄なのだ。彼の前では。何を言っても、僕の言葉は意味をなさない。
何故なら、彼はオリジナルだから。
僕は立ちすくんだ。怖かった。生まれて初めて本気で怖いと思った。
教団内で僕はオリジナルに近いと評されたことがある。何故そう思えたのだろう。
僕と彼はこんなにも違うのに。
今、彼と向き合いながら、僕ははっきりと思い知らされた。所詮僕はダミーでしかない。
そしてオリジナルは、そこにいるというただそれだけで、ダミーの存在そのものを
根幹から否定し、駆逐する。それほどまでに「オリジナル」の存在は重い。
僕を押し潰そうとしているのはそれだった。
暗い艦内通路のずっと向こうから、パーティーの熱気とざわめきがかすかに伝わってくる。
けれど、ここは静かだった。とても静かだった。
木偶のように固まっている僕の前で気配が揺らぎ、彼の声がした。
「それで、君は僕に何を訊きたいんだい?」
僕は反射的に首を振った。沈黙は厭だった。でも彼が何か言うのはもっと厭だった。
けれど彼は続けた。
「アスカさんのためにここに来た訳じゃないだろう? 君は僕に訊きたいことがあって
 やって来たんだ。僕なら答えを知っている、そう君が思っている、何かをね」

63 :空母艦上・番外<2/4>:03/06/17 14:55 ID:???
取り乱した僕が再び平静を取り戻すまで、少しかかった。
僕らは甲板に移動していた。凪いだ海から重く湿った夜風が渡ってくる。
ついさっきまで、ここには碇シンジと彼女がいた。
「強き魂を持つ者たち、か。僕らとは違う」
呟くと、彼がこちらに顔を向けるのがわかった。
「・・・そんなことが知りたいのか、君は」
「個人的に大事なことなんだ」
「意外だな。意義のある死を保証されている君たちが、命の意味を問うなんてね」
軽い、突き放すような響きが声にこもる。
僕は見えない目を彼に向けた。
「だからこそ興味を持つんだよ。ヒトだって自分に欠けているものに惹かれるだろう?」
少し間が空いた。僕は続けた。
「僕の能力についてはある程度知っていると思う。僕は、君たち一部の例外を除いて
 あらゆるヒトの心と電子システムの内部を監視している。数えきれないほどの
 心の動きを見てきたし、そこからいろいろ学びもした。その最中に気づいたんだ、
 ヒトの中にあるもの、厳密には生命としての存在それ自体に内在する、ある要素についてね。
 AIと呼べるものも含め、人工的に造られた思考なら、僕は幾らでも精密に予測演算できる。
 次に何を考えるか、どんな判断を下すか、やろうと思えば10年先まで
 完璧に予測することだって不可能じゃない。所詮はヒトの造り出した理論構造物でしかないし、
 その範囲から逸脱することはないからね。ある種の方程式のようなものさ。どんなに複雑でも、
 適切な方法さえ使えば、必ず解き明かすことが可能なんだ。
 でも、ヒトの心にはそれが通用しない。
 現実のヒトの思考や行動パターンを完全に予測することはできないんだよ。
 何度やり直しても、どんなに方法を変えても、算出予想と現実の結果には必ず誤差が出る」

64 :空母艦上・番外<3/4>:03/06/17 14:56 ID:???
「最初は計算ミスか、僕の力が足りないせいかと思った。それで一度、技術神父に無理を言って
 演算能力を極限まで上げたイロウル型数体とリンクさせてもらった。彼の腕は本物だったよ。
 けれど、それでも完全な予測はできなかったんだ。
 確かに処理精度を上げれば誤差は小さくなる。でも決して零にはならない。しかも
 時間の経過とともに着実に成長していくんだ。結果、行き着くところはカオス。
 それで僕は結論を出した。ヒトには、機械で真似て作り出せる思考と精神以上の何か、
 ヒト自身にも手の届かない、ある不確定要素があるんだ。生命の核とでも言うべきものがね。
 僕はそれを、便宜上”魂”と呼ぶことにした。ヒトにあって僕にないもので、
 一番大きいのがとりあえずそれだったから。
 でもそこまでだった。それが一体何なのか、今に至るまで僕は答えの糸口すら見出せていない。
 ・・・確かに、君の言う通りだよ。正直なところ、僕は君にその答えを期待している」
僕はひと息にそこまで言い終えると、反応を待った。
かなりの間渚カヲルは黙り込んでいた。
初めは単に気分を害したのかと思った。が、そうではないと気づくまで、大した時間は
かからなかった。ほぼ同時に、渚カヲルは我慢できなくなったかのように盛大に笑い出した。
「君は・・・そんなことをずっと考えていたのかい? 君にとって職務の遂行や
 インパクトよりも大事なことが、それ? まさか司教がそこまでロマンチストだとはね」
たわいない空想を一生懸命力説する子供に向けるような口調だった。頬が熱くなった。
「・・・そこまで大笑いするほどくだらないのか」
「いや、そういう訳じゃないけど、・・・あまりにも意外でね」
渚カヲルはそう言うと、またひとしきり笑った。不思議と腹を立てる気になれない笑い方だった。
力が抜けた。
「・・・九大司教の名誉のために断っておくけど、そういう余計なことを考えるのは
 僕だけだ。第参や第伍、それに今まで死んでいった司教はちゃんと役割を果たしてる」
「じゃあ、君一人が変わり者ってことかい?」
「変わり者じゃなくて出来損ないさ。未だに廃棄されないのが不思議なくらいのね」
渚カヲルは何も言わなかった。

65 :空母艦上・番外<4/4>:03/06/17 14:58 ID:???
深夜の空母甲板上には相変わらず人影はない、いや、一見ないように見える。
僕らから少し離れたところに二人いる。トライラックスの大使と碇ゲンドウだ。
でも僕にわかるのはせいぜいそこまでで、碇ゲンドウの強力な思念遮蔽に阻まれて
会話はおろか二人のおよその動作すら識別できない。
「聞き耳を立てていなくていいのかい? 君の仕事だろう」
視線の先を察して、渚カヲルは皮肉げにそう言った。僕は首を振った。
「力の差があり過ぎる。『G』は君らが思っている以上に脅威視されているんだよ。
 ちょっかいを出してただで済む相手じゃない」
「勝てない喧嘩はしないってことかな」
「・・・そうなるね。まだやることはあるし、それに今死んだら第伍を怒らせる」
「怒らせる?」
「生贄の順番をまた飛ばされた、ってね。知ってるだろうけど第四はもういない」
会話が途切れた。吹きつける夜風がきつくなり、心なしか波の音が荒くなった。
「・・・で、質問の答えをまだもらっていないけど」
渚カヲルはたぶん少しだけ微笑んだ。
「確かに僕なら、君のその疑問にひとつの解答を与えられるだろうね。
 でも敢えて僕はそうしない。魂の意味は君が考えているほど限られたものではないからね。
 その答えもまた、ひとつの形には収まりきらない。認識する主体によって幾らでも
 ”正解”が生まれるってことさ。今の君には理解できないかもしれないけど」
「・・・素直に”自分で考えろ”って言ってくれないか」
「それじゃ身も蓋もないじゃないか」
彼はさらりと言い放ち、軽く顎をそらした。思わず笑った。確かに彼はもうただの使徒じゃない。
「ま、でもそれに近いかな。自分で見つけなければ意味がない、そういうことさ。
 結局、誰もが独りでしかないんだ。ヒトも使徒も皆」
渚カヲルはそう言いきると、まっすぐに夜の水平線の彼方を見た。
ふいにその声が硬くなった。
「僕は君に同情はしない。君は『彼』に従う者だからね。君もあまり勘違いしない方がいい。
 ・・・あとで辛くなるだけだよ。それは君だけじゃなく、他の皆を巻き込むことになる」
僕は返す言葉を持たなかった。

66 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/18 21:11 ID:???
待ってた。
皆帰ってこないかと…なんて言っては駄目か。
待っていた。そして少なくとも私は貴方のネタ投下を待っている。
そのこだわりは無駄にはならないと思う(私の勝手な思い込みかもしれないが)
じゃ、また向こうで。

67 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/19 19:32 ID:???
>66
ごめん。

いつも声かけてくれてありがとう。
毎回、とても嬉しいです。
と同時に、自害したくなるほど申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
そのお返しに何かできることは、というと、やはり何か書くこと、になるんでしょうが。

以下愚痴。

スレ離れてそろそろ半月経つ訳ですが、その間も一応外から見てました。
自負とかセキニンとかそういうのを置いといて、極度に個人的な感情だけで言うと、
今の状態のスレなら、正直戻りたくないです。
だって何もできないじゃないですか。
トライラックス担当さんの部分のまとまり待ち、なんですよね、今のスレは。
????他さんはそれまで(大きくは)動かないと仰ってますし、そうすると
自動的にネルフ(OTRサイド)も膠着、となるとネルフ待ちの綾波教(改造騎士団他、第弐)も
連動して出番がなくなります。
というかネルフ側は書いておく必要があるかな、という部分は全部終えてある、つもりです。
目下、自由に?動かせるのは第弐のみ。
でもネルフ突入までは暴れるのはよろしくない(いわゆる「様式美」「お約束」ですね)、
少なくとも主席の「開始合図」待たないと、という訳で、自分としてはむしろ
「今は動いちゃ駄目」という判断をしています。
今、下手に動くと何が崩れるか見当もつかず、それが怖いのです、自分は。

・・・・・・つうか今の「トライラックスさん独壇場状態」に耐えられないってだけです。
以前、拾スレ目ですか、自分が長文でトライラックスさんに文句垂れたことが
ありましたが、あの時、ああすることで避けたかった状態、っていうのが、
今のスレの現状です、とまあ、愚者の繰り言。

こんなところまで来てくれて、本当にありがとう。とても、励まされました。
それでは、・・・ぶっちゃけ何かネタひねり出せれば、また、上のスレで。

68 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/22 00:24 ID:???
再び地の底から。気づいてもらえれば僥倖。気づかなければ・・・それもまた良し。
強制じゃないですしね。

>上スレで(丁度現時刻辺り)頑張っている人
読ませて頂きました。
脱帽、です。
相変わらずの戦闘描写+シーンの持って行き方、お見事です。
ああっやりやがったっこのっ畜生っ到底敵わねぇじゃねぇか!みたいな感じで、
悔しいぐらい、楽しませて頂きました。
VS聖母の使徒・・・かぁ・・・またしても取られちゃいますた(w
ていうか・・・んなあからさまに危ないモノ取り込んじゃ駄目っすよエーアスト氏。
ああ・・・・・・
・・・戦闘やりたい。彼らと。

なんか悔しいので「氾濫する光」アクション部分を一部投下してみます。
VS聖母の使徒、なんですよ、これも。

気づいてもらえれば、望外の僥倖。

では張り切って逝ってみましょう。若干の準備期間の後に。

69 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/22 00:38 ID:???
面倒臭くなってきたので出来上がっている部分を投下してみることにします。

はっきり言ってこれは「自分のために」書いたシロモノです。
スレのためとか、他の書き手さんや盛り上げのため、では、絶対にあり得ません。
ただ自分が見たいラスト(でもないですが)をほぼそのまんま書いたもの。
よって、時期尚早とかそういうの関係なく、半・没ネタとしてここに書き込みます。
これを調整なしでこのまんま採用して頂くのは・・・無理でしょうしね。

という訳で「自分の見たかった/つけたかった結末」(一部)です。
警告:
  自 キ ャ ラ マ ン セ ー で す 。
 設定こじつけ・心情描写等、たぶん史上最大の電波です。
 突っ込むも叩くも罵倒するもご自由に。ただし、「このスレ内で」お願いします。

それでは、どうぞ。

70 :氾濫する光・0(或いは前口上):03/06/22 00:39 ID:???
あるひとつの終末の光景。
これは僕一人の望みだ。誰のためにもならず、何も残さない。
そうであってほしい。
僕はもう何もしたくない。誰かに触れること、それ自体が苦痛でしかない。それで相手が
傷つくのであれ、或いは癒されるのであれ、誰かに気持ちを向け、また誰かの心が
僕に向かうことに、もう耐えられない。敵意も好意もその意味において違いはない。
存在し続けることはそれだけで業罰に等しい。
だから、これは僕一人のための結末だ。
誰のためにもならず、何も残さない、そういう世界の改変。
本当はもっと他にやりようがあった筈なのに、僕は流されるまま何もしてこなかった。
もう、何もかもが遅い。
けれど、それでもなお、世界は否定されるべきではない。どんなに拒絶と絶望に満ち、
歪み、残酷で、生きているだけで辛いと感じても、世界はそれだけでひとつの可能性だ。
僕にわからなくても、いつか誰かがその可能性を見出し、また世界を変えてゆくだろう。
それを否定することはできない。
だとしたら、代わりに終焉を与えられるべきものはひとつだ。
これはひとつの終わり。僕のいる世界の、その閉塞と終息のさま。
記憶されることはなく、またもしそれが可能でも、思い出されることはないだろう。
もうひとつの生ける世界が続いていく限り、永遠に。
今僕にある全てを賭けてそのことを祈ろう。
僕が消えても代わりはいないかもしれないけど、そのことで世界は何ひとつ困りはしないし、
全てに絶望しながらもなおここにいられるほど、僕は強くも正しくもない。
そういう、卑怯にして身勝手な、これは結末だ。

71 :氾濫する光・1:03/06/22 00:40 ID:???
全き円をかたどる月が、空に昇る。
その静かな光が、大気を通し、薄い雲を貫き、戦火が暗く照らし出す小さな都市に注ぐ。
来るべき満月の宵。訪れるべき、約束の時。
そう、時は満ちた。
僕は真白い月を見上げた。わずかに遅れて、量産機も夜空を仰いだ。
片腕を失って左右非対称になったその背から白い羽根が噴き出し、大きく伸び拡がって
巨大な一対の翼になる。
「・・・始めようか」
意識を集中させる。
瞬間、量産機を中心に、見えない力の波が波紋のように戦場を走り抜ける。
一瞬の空間の歪み。度重なる戦闘で脆くなった建造物が震え、街路がきしみ、
残っていた窓ガラスが粉々に砕け散る。
励起されたATフィールドの輪は拡がり続ける。市街の境界を越え、低い山並を越え、
今や再びの安息を求めて絶叫する赤い海を越え、不可視のラインとなって惑星の曲面をなぞる。
それを境に世界は同心円状に塗り替えられてゆく。赤い海よりも赤い赤へと。
「光」はネットワークではなくマトリクスだ。織り成された網ではなく、
その実在自体を裏付ける基本実質。世界を浸す非実体の海であり、限りなく現実空間に重なった、
あらゆるものを見通し覗き込む目。そして同時に、ある一個体のATフィールド、即ち
僕のココロの具現。
委員会はヒトの未来のために複数のシナリオを作り、そのひとつの実行手段として
僕を造った。僕は彼らの命にしたがってココロを拡げ、全てを組み入れる
システムの雛型を作った。その後、彼らは別の道を模索し始めた。シナリオは凍結され、
僕の役割は目的を失った。
けれど彼らは僕を破棄せず、本来の役割に戻すのみにとどめた。
僕はシステムの構築を続けた。その一端は教団のための情報収集と情勢の監視に転用され、
僕が生き永らえる理由になってくれた。
そして短くも長い時間を経て、システムは完成した。
だから僕は、それを解放する。
僕のいる世界を終わらせるために。

72 :氾濫する光・2:03/06/22 00:41 ID:???
目を閉じる。瞼の裏側、純粋な情報だけで構成される世界が広がる。
量産機は翼を高く掲げ、月を見上げて静止している。
・・・各域で前共鳴を確認。隔離域にて汚染素子の連鎖進行中、励起と同調して全区域で
同時稼動開始。MAGI他の一部を除く、現存する全電子ネット及び独立システムを潜在制圧、
及び妨害・逆流に備え限定的に個別遮蔽。槍のコントロールを三重に把握、以後、
最大461秒間の一切の外部干渉を遮断。”紅い壁”の完全包囲及び第一次接触完了。
解放後プラス0.02で全方位攻撃開始、予想され得る外部侵攻の・・・
と、拡大した意識野に侵入してくるものがあった。視線を向ける。
飛来する白い無数の羽根。聖母だ。
ごくかすかな、落胆。
羽根の群れは見る間に純白の壁となって量産機を囲い込み、時ならぬ吹雪のように荒れ狂った。
【何を始める気かしら】
声だけが響く。本人が姿を見せないのは、僕一人に構ってなどいられないから。予想通りだ。
「”約束の時”ですよ。予定より少し早いですが」
【・・・やはり裏切るつもり。今まで目こぼししてきた意味がわかっていないのね】
僕は薄く笑った。
「それなら止めてください、聖母様。この背教者をね」
無数の羽根が、一枚残らず宙でぴたりと静止した。
【生きているフリをしているだけの人形に頼まれなくても、止めるわ。
 私はあの人とは違う。飼い犬の立場を忘れ、あの人の邪魔をする気なら・・・容赦しない】
言葉と同時にすさまじい殺意が羽根の雲に満ちた。
大気が張りつめる。戦場の喧騒が一瞬凍りつくほどに。
直後、羽根の一枚一枚が閃く白い刃と化して一斉に襲い掛かってきた。
量産機が無貌の頭部を持ち上げ、脅威を見据える。
命じる。
「・・・ATフィールド全開」
戦闘開始。恐らく、最後の。

73 :氾濫する光・3:03/06/22 00:41 ID:???
断絶が市街を襲った。
耳を聾するほどの聴覚的空白。先とは比べ物にならない高密度の衝撃が弾ける。
放射状に路面を走る深い亀裂。紙屑のように飛び散るアスファルト片。建材の崩落。
聖なる羽根の渦すら一瞬勢いを殺され、力の拮抗によってほんのわずか、脆い静止が訪れる。
その中をすり抜けるようにして巨大な両翼が地を打ち据え、量産機が舞い上がった。
翼の巻き起こす突風が暗い路地を駆け抜ける。
量産機はすぐ後ろまで迫る白い羽根の嵐を従え、一直線に天頂を目指した。
数秒で雲を貫き、幾重にも重なった靄の層を抜け、濃藍の夜空に隠れなき満月の下で
両者は複雑な演舞を始める。上昇と降下。繰り返される急旋回と鋭いスライド、
螺旋状にねじれて長い弧を描く、見えない航跡。
鋭くもしなやかな、白く流れる巨大な槍となった羽根の群れは、確かに容赦がなかった。
いくら逃げても正確に追跡してくる。遠ざかったかと思うと近づき、引き離したかと思うと
またすぐそこまで追いすがる。
たった一枚でも接触を許せば、それで終わる。即、破壊エネルギーが強制的に流し込まれ、
細胞の一片、思考のひとかけらまで残さず完全消滅する。
果てしない追撃戦。もしくは狩猟。
相手の消耗はなく、脱落もない。こちらは違う。
澄んだ光を振り撒く月の面が、量産機の視界を急角度で下から上に横切る。
やがて鬼ごっこに飽きたのか、羽根の群れはいきなり弾けるように拡散した。ひとつひとつが
超音速の矢となって目標に向かい、無数の弾道が残像となって夜空を埋め尽くす。
冷たい汗が流れ落ち、目の端にしみた。
ふいに脳裏をかすめる映像、地表を撫でてゆく長い長いATフィールドの円弧のイメージ。
起動までは・・・もう少し時間が要る。
量産機は一度翼を大きく振りきってその場を離脱し、身体の前面に黒い両刃剣を構えた。

74 :氾濫する光・4:03/06/22 00:42 ID:???
一拍遅れて羽根の群れが追いつく。
最初の一陣をATフィールドで弾き飛ばすと、量産機は両刃剣を大きく引き寄せ、
全体重を乗せて薙ぎ払った。
正面から刃を受けた羽根が消し飛ぶ。直後、剣の急激な動きと気圧の変化で生じた
瞬間的な真空の軌道が、更に大量の羽根を巻き込んでその自由を奪った。残りが追いつく前に、
量産機は再び身をひるがえす。交錯する白の流線の群れをかいくぐり、再び密集した瞬間
黒い軌道が羽根の渦を切り裂く。数秒で夜空に幾つもかすかな白光が散った。
逃れては撃破するのを繰り返して、量産機は少しずつ羽根の数を削っていった。
性能限界ぎりぎりの高機動戦闘は、機体に予想以上の負担を強いた。酷薄な刃の上を渡るような
瞬間ばかり続く。抑えても心拍が上がる。
何度目かの小包囲と突破の直後、埒があかないと見たか、羽根の群れは緩やかに集合した。
月光を受けてそよぐ群れはあくまで繊細な純白だった。殺意などかけらも見せず風に乗る。
量産機は少し距離をとり、大きくその周囲を旋回する。
羽根の渦は柔らかく潰れ、次の瞬間、再び白い錐となって放たれた。
その周りがふっとぼやける。それが分離した数百枚の羽根だと気づいた時には、
それらは小さいながら鋭利な鎌の群れと化し複数方向から襲ってくるところだった。
逡巡する間もなく、量産機は反転と旋回を繰り返してそれらをかわした。速度が鈍る。すかさず
分離した羽根がすばやくその空域に集結し、一体化して本体同様もうひとつの純白の槍となる。
波状攻撃。いったん黒の剣でその切っ先をくじいた後、量産機はぐいと身体をひねり、
唐突にバランスを崩した。
失速。両翼が背に吸い込まれる。
浮力を失った巨体はまっすぐに地上へ落下していった。二つの羽根の槍が優雅にゆらめき、
真っ逆さまにその後を追った。
回転する視界。月が遠ざかる。
地表まで1kmを切った辺りで追いつかれた。相対速度、ゼロ。二方向から
量産機を挟んで白い奔流が鎌首をもたげる。機体のテンションが上がり、恐怖のあまり
制御を振りきってもがこうとするのを、僕は無理矢理押さえつけた。
その瞬間、二つの白槍がほぼ同時に突っ込んできた。

75 :氾濫する光・5:03/06/22 00:42 ID:???
ほとんど何も考えずに、僕は動いた。
一方の羽根の槍が接触する寸前、全力で機体の上半身をねじる。
前影面積が変わり、羽根の群れは勢いを殺せないまま、本来右腕のあるべき位置、
今は空白でしかない場所になだれ込む。間髪入れず両脚を振り上げる。機体はかろうじて
上下に半回転し、同時に瞬間的に翼が開いた。完全な展開には時間が足りず、
せいぜい半分弱が広がる程度。だが落下速度は鈍る。量産機は白い流れの交わる一点から
ほんの少し浮き上がる形で、わずかに攻撃の軸線上から外れた。
それで充分だった。
二つの流れは一瞬目標を失い、開けた空間でもろに正面衝突して互いの速度を相殺した。
無数の白い羽根がすさまじい勢いのままに擦れ違い、逆流し、ぶつかり合う。
それを視界の隅に捉えながら、量産機は渾身の力を込めて白い巨翼を振り下ろした。
叩きつけられるような衝撃。ついで浮揚感。
白い闇が瞬時に空域を呑み込む。
ほんの一刹那、真下に全てが広がった。乱舞する純白の羽根の嵐。その全座標全予測軌道が
透徹した明晰さを以て脳裏を貫く。機体の視覚と僕の目が重なる。
捕捉。
瞬間、極限まで細分化されたATフィールドの刃が空域を満たし、錯綜する羽根吹雪を
赤い電光となって切り裂いた。
微細な閃光が羽根の雲を縦横に縫う。儚い羽毛のひとつひとつを空間断層が切断し、
粉々に砕き、細断し、押し潰してゆく。
濃密な1秒間、息をつめてそれを見据える。
一箇所でもミスがあったらこちらの負け。聖母に無駄な慈悲はない。ほんの一枚であろうと、
攻撃を逃れていたら・・・失敗。
と、大気から嘘のように殺意が消えた。
同時に機体が維持限界を迎え、白い闇がかき消える。
静寂が広がった。
遠ざかる眼下、翼の起こした風が白い渦を乱す。攻撃態勢を崩された大量の羽根のかけらは、
静かにきらめきながら夜の地表へ降り注いでいった。

76 :氾濫する光・6:03/06/22 00:43 ID:???
量産機は吸い込まれるように月を目指す。
極限まで緊張していた機体が弛緩し、少しずつ痛覚が戻ってくる。
やがて、思い出したように各部の損傷が自己主張を始めた。無茶な稼動に関節は焼け付き、
腱と筋繊維は至るところでちぎれ、急激に消耗した器官の一部は過負荷と酸素不足で
ネクローシスを起こしかけている。無数の痛みと、加速再生のもたらす生理的違和感。
機体の軋みをじかに感じながら、僕はプラグの中で思いきり身体を投げ出し、息をついた。
全身がばらばらになりそうだった。
本当は、最初からこちらに利はあったのだ。聖母が全力を出さないことがひとつ。
もうひとつ、「光」が健在であれば、僕の視点はその空間内全域に”遍在”する。
僕が特にエヴァの扱いに長けている訳じゃない、単に受け取れる情報量の桁が違うから、
これまで他のエヴァとも渡り合ってこられた。今回もそれがそのまま僕の優位に
なってくれただけに過ぎない。
生き残れたこと、聖母の力に立ち向かい、なおかつそれを切り抜けられたことは、
何の感慨も高揚ももたらさなかった。
ただ頭が割れるように痛んだ。
これは僕一人の望みだ。誰のためにもならず、何も残さない。そして全てを壊す。
けれど自分が手を止めはしないだろうことは、ずっと前からわかっている。
今更迷っても引き返せはしない。
白い月は皓々と輝きを放つ。偽りの感傷に溺れる木偶を嗤う。
その下で惑星を閉ざしてゆくATフィールドの円、そしてそれとは別に、追ってくるものの気配。
この程度で終わる訳がないのだ。
遙か下、だいぶ薄くなった羽根の雲がいきなり五つに分裂し、一瞬凝縮したかと思うと
見る間に何倍にも膨れ上がった。多層展開する白い塊から同色の長い尾が引き出され、 
鋭角に折れ曲がった鉤状の突起物が突き出し、量産機のそれに似た翼が開くと同時に
月光に映える真紅のコアがあらわになる。
使徒の群れは一斉に長い歯列を剥き出し、量産機を追って夜空へ翔け上がった。

77 :氾濫する光・7:03/06/22 00:43 ID:???
衛星軌道上から見下ろした惑星の姿。
静かな水面に波紋が広がるように、「光」の励起領域は同心円状に拡大してゆく。
ほとんど抵抗も受けず、ところどころに点在する紅い領域にわずかに引っ掛かりながら、
けれどそれさえも、すぐに呑み込み覆い尽くしながら。
静かで巨大な津波に似ていた。窓を閉ざし、部屋を密閉してやり過ごすことはできる。
そうすれば溺れることも怒濤に押し流されることもない。だが逃れたそこも所詮波の下。
冠水の一瞬を過ぎれば水面は遙か頭上に遠ざかり、波の先端は手の届かない距離へと
走り去っている。その後の水圧に耐えられるかどうかは、運次第。
地上には目に見える変化はなかった。数秒の地鳴りと穏やかな振動、それだけだった。天変地異が
起こる訳でもなく、ヒトがLCLになって弾けることもない。
それでも上空から、或いはあるレベル以上の特殊な視覚を使って展望すれば、すぐに気づく。
潜在的に展開され、水面下で維持され続けてきたそれが、初めて発現しつつあることに。
赤い海を渡るもうひとつの波。
巨大にして単一のATフィールドに、世界は静かに覆われようとしていた。

広がりゆくその円を眼下に、量産機と使徒の戦域は高度数十kmを越える。
大気があまりにも稀薄になり、翼での飛行が不可能になると、今度はATフィールドどうしの
反発がそれに取って代わった。互いの身体そのものを弾丸のように使って、
相手の複層フィールドを外から中和・侵食しつつ激突、一撃離脱を繰り返す。当たれば
ダメージは勿論、姿勢制御までも大きく狂い、回避すれば逆に加速の手段を失って
動きを捕捉される。フィールドの破壊と再展開が果てしなく続く。
やがて更に高度が上がると、重力という制限を脱した戦闘は格段に複雑さを増し、
より余裕のない消耗戦へと様相を変えた。
使徒の放つ光線が続けざまに虚空に閃光を咲かせ、しなやかな尾が重い反動を乗せて
空間を薙ぐ。何度か白い鉤がその下の肉ごと装甲を切り裂き、両刃剣が片翼を断ち落とし、
大量の羽根が宙に散る。真空中に噴出した血は流れも舞いもせず一瞬で揮発し、
ごく薄い赤い霧となって、視界をわずかに濁らせる。
幾つもの痕跡を残しながら、上昇は続いた。

78 :氾濫する光・8:03/06/22 00:44 ID:???
「光」の正体は単純だ。
アラエルの精神浸透能力を併せ持つ、巨大なATフィールド。
電子回路への侵入やその操作は余剰機能に過ぎない。主目的は、帰還者、
すなわち赤い海から離れて生き始めたヒトのATフィールドへの、長期に及ぶ
直接干渉にある。
「光」はヒトが気づかないうちに、ごく穏やかに一人一人の精神を包み込み、受容し、
ゆっくりとその形態を真似る。やがて変異がある程度まで進むと、それと平行して
個々のATフィールドとの癒着、そして境界面の融和が進行していく。
融合ではない。侵食でもない。だが不断の接触により、「光」にすっかり”馴染む”頃には
ヒトのATフィールドは正常な抵抗力をほぼ失う。その代わりとして、「光」は
弱体化したヒトのATフィールドを外から保持し、個体としての形態をも支える。
この「共生」の確立には充分に長い時間をかける。その上、触れてくるのは
あくまで「自分」だから、対象はわずかな不安を感じることもない。
同時に赤い海へも介入する。偽りの快楽という幻想を壊し、孤独感と存在不安を煽り、掻き乱し、
真の安息への渇望を呼び起こす。海がヒトビトを呼び始めるまで。
そして全てのATフィールドは、誰も知らない部分でひとつに繋がる。
合一でも統合でもなく、だがもはやヒトは完全な独りではない。
僕が他人の精神に侵入して思念を読む訳じゃない。彼らが「僕」の内側にいるのだ。
個人という概念は、そういう意味でとうに崩壊を始めている。
あとはそれを一気に押し進めるだけだ。
奇跡の代償に捧げられるべき供物は、既に僕の傍にある。
アダムやリリスの力は借りない。憑代も必要としない。
誰かに委ねられれば未来は極度に不確定になる。個人の意思が、約束された終局を曲げる。
サードインパクト時の反省を経て、委員会が得た教訓がそれだ。
誰の意思も介在することのないインパクト。それが、本来僕に託された終末の形だった。

79 :氾濫する光・9:03/06/22 00:45 ID:???
衛星軌道上。
戦域は末期状態に陥っていた。五体の使徒、量産機ともに満身に少なくない傷を負い、
動きも先ほどまでに比べ明らかに鈍っている。
その真下、月光の靄に包まれた惑星は、既に完全に「光」の励起帯に閉ざされていた。
同心円状に拡大しつつあったフィールド活性域の最外端は球面の果てに達し、正確に
京都の対蹠点でひとつに合流して、継ぎ目のないもう一層の球面を形成している。
だが完成から五秒近くが経過しても、それ以上のことは起きなかった。
全てを網羅する巨大システムは、待機状態のまま、「起動」の命を待ってただ沈黙している。
血を吐いてなお抗い続ける量産機とともに。

手が震え続けている。
できなかった。
顕在化したフィールドが世界を包み込んだとき、確かに僕は実行しようとした。
戦闘は表面上こちらの不利にあり、使徒たちの、即ち聖母の注意もわずかに薄れていた。
完璧な好機。
なのに、僕の手は動かなかった。
準備は全て整っている。あとはほんの少しの意志の後押し、それだけで良かったのに。
それなのに、どうしてもその決断が下せなかった。自分でも意識しないまま、
僕は結末を拒絶していた。
どうして。
だが考える暇などない。すぐに形勢が変わり、使徒たちが再度量産機を捕捉する。
反射的な行動予測。離脱は間に合わない。包囲後に五体の連携攻撃、機体が耐えきれなかったら
・・・終わり。ここまで来て。何も為すことなく。
焦りで視野が歪んだ。僕は唇を噛み、そしてふと気づいた。自分が、とっさに
反撃や打開ではなく、なんとか攻撃をやり過ごす方法を模索していることに。
それが僕に答えを教えた。
この期に及んで、ここまで来て、僕はまだ心のどこかで退路を探している。
それを意識した瞬間、僕は初めて理解した。僕は自分すら欺いていたのだ。ずっと。
僕の本心は怯えそのものだった。

80 :氾濫する光・10:03/06/22 00:45 ID:???
失うのが厭だった。
今なら、ここでやめるなら、この場で聖母に殺されるだけで済む。でも、この先に進めば
僕は本当に全部失って無に還る。それが怖い、それだけのことだった。
自分ではとっくに乗り越えたと思い込んで、その癖ずっと怖くてたまらなかった。
心細かった。独りは厭だった。本当はいつだって逃げ出したかった。
成し遂げようとする決意なんてかけらもない、何もかも厭で厭で、何とかして
迫り来る消滅から逃れることしか考えていない、それが僕の本心だった。
最後の最後で手が止まる筈だ。僕自身、完遂など望んでいないのだから。
僕の望み? 願い? 何もかも投げ出して動いた理由?
欺瞞だった。そんなものは最初から存在しなかったのだ。
どこにも。
包囲の輪を縮めてくる使徒たちの動きが、とても遠いものに見えた。量産機からじかに伝わる、
たくさんの苦痛も死の予兆も、蹂躙の恐怖も、他人事のようだった。
涙も出なかった。
こんな結果のために、彼らは。
虚脱感が全身を満たし、そして僕は、僕に絶望した。
その刹那、何かが変わった。
ふいに、失うことは恐怖ではなくなった。
嘘のように心の重さが消えた。うつ伏せていた顔を上げ、僕は息を呑んだ。
眼前一面、視野を覆い尽くす巨大さで、赤い惑星の麗姿が圧倒的な静けさと偉大さで広がっていた。
動くこともできず、ただそれを見つめた。
「・・・そうか」
何かが、胸の底に落ちた。わかりかけた気がした。
けれど次の瞬間、風景は襲いくる使徒たちの巨躯に遮られた。
僕は我に返った。ぼやけていた全感覚が戻り、意識野が瞬時に澄みわたる。
使徒がすぐ目の前にいた。
無防備な機体を続けざまに衝撃が襲った。振動。幾つかの鋭い痛み。意識が飛びかける。
一瞬、目の前が真っ赤になった。矢継ぎ早の猛攻に量産機は押され、そして直後、
僕の意志のままに、喰らいついてくる使徒の群れを渾身の力で振り払った。

81 :氾濫する光・11:03/06/22 00:46 ID:???
フィールド全開と同時に両刃剣を構えて突っ込む。掴みかかってくる鉤爪を寸前で流し、
弱体化したフィールドごと巨体を叩き割る。噴き出す血の蒸気で視野が染まる。両断され、
切断面からほとばしる鮮血に押されて二方向へ漂いゆく残骸を蹴って次へ。
向かってくる一体に全力で剣を投げつける。黒い剣は一瞬で槍の形態を取り、コアを貫通した。
力の抜けたその巨体の陰から、次の一体が得物のないこちらの側面に躍り出る。
歯の滑らかな光。対応する間もなく脇腹に喰いつかれた。
二つの激痛の輪がぎりぎりと背骨を締めつけてくる。装甲の軋みと破砕音。量産機は
弓なりに全身を痙攣させ、緩んだ口腔から血泡が溢れた。
僕は思わず傷と同じ部分を押さえた。服の下から熱い感触が滲む。知らずに叫んでいた。
「おおおおおおおッ!!」
量産機は歯を剥き出し、強引に腕を伸ばすと使徒のコアを掴んだ。そのまま五指を
喰い込ませ、力を込めていく。さほど待たずに周囲の皮膚が弾ける。抵抗が減り、
潰れた肉の中からコアが引きずり出される。
激昂。使徒は量産機をくわえたままめちゃくちゃに暴れた。振り回されて方向も
わからなくなる。衝撃。見当識喪失。月が流れる。
先に素体に限界が来た。ずたずたにされた肉層が中身ごとずるりとこそげ取られ、
それを使徒の顎の間に残したまま、量産機は勢いよく振り飛ばされた。すぐ後ろで
ガキンと使徒の牙が噛み合わさり、飛び出た内臓の端がきれいにちぎれる。
視界が暗転しかけるほどの激痛。それでも量産機はコアを掴む手の力を緩めなかった。
振り子のように投げ出された機体の勢いも借りてコアを握り締める。一瞬の均衡の後、
血の熱さにまみれた重い球体が手の中に残り、脆い手応えを残して砕け散った。
これで彼我の差は二対一。
量産機は翼の変則動作で重心を移動させ、回転する身体を止めた。

82 :氾濫する光・12:03/06/22 00:46 ID:???
残り二体、再生を終えほぼ無傷の使徒が前後に立ちふさがる。
僕はすばやく周辺を一瞥した。退路はない。少し先に、ゆっくりと二軸回転しながら
戦域を離れてゆく、コアに両刃剣を突き立てたままの使徒の残骸。
そろそろ終わりだ。
月光を透かして、何層かの血の霧が流れる。
僕は可能な限り精密に機体の姿勢を調整し、そして両翼を自ら切り離した。
ぶつんという鈍い衝撃。一瞬の恐慌。痛覚が消える。あちこち裂けた巨大な二枚の翼が、
根元から吹き飛んで宙に舞った。
直後、使徒二体の放った光線が翼を直撃し、大量の白い羽根が戦域に溢れて視界を奪った。
翼の質量は大きい。使徒たちが舞い狂う羽根の雲を切り裂いた時、量産機は切断の反動を利用して
両刃剣のある位置に到達していた。すれ違いざま黒い剣を捉え、漂う死骸ごと引き寄せて、
それを足場に一動作で抜き取って構える。
白い骸は優雅に回転しながら遠ざかり、量産機は何度か姿勢制御を繰り返して、月を背に、
残った使徒と、そして淡く光る惑星に対峙した。
もう一度、僕は世界を見下ろし、見つめた。
漂いゆく無数の羽根の残骸とおぼろな血の靄。満身に月光を受けて清冽な白輝を放つ、
二体の聖なる御使い。限りない生命の気配と安らぎを湛えて鎮まる、凄愴なる惑星の赤。
一枚の絵のような光景が、網膜に灼きつく。
僕は微笑んだ。
プラグの闇の中で手を伸ばす。機体同様、酷使した左手の感覚はほとんどなくなっていたけど、
今度はちゃんと動いてくれた。パネルを探り当て、僕は唯一意味のある装置、
プラグのイジェクトキーを押した。

83 :氾濫する光・13:03/06/22 00:47 ID:???
背面装甲の一部が軋んで開き、機体からプラグが排出される。
小さな衝撃とともに脱出用ハッチが飛ぶ。
僕は強張った全身を伸ばし、エヴァの擬似胎内から、永劫の夜の中へ漂い出た。
頭上の月と、眼下の赤い無限の海。無数の星。
黒い空間は壮麗な光に満ちていた。
だいぶ血に染まった白い司教のローブが、わずかな動作に合わせてゆっくりと広がる。
ATフィールド。まさに心の壁。上手くイメージを調整できれば、ヒトに近い
生体構造を持つ僕でも、こうして苛酷な環境に立てる。ただ、さすがに真空中で
音声を伝えるのは無理だ。最後くらい、肉声で喋りたかったのだけど。
感情のない凝視を向ける聖母の端末に一瞥を投げ、僕はプラグを蹴って量産機の顔前へ進んだ。
巨大な顎部を捉えて身体を止める。
シンクロは続いている。もう、生体部分の大半から反応がない。流出した体液を含め、
全質量中40%以上の喪失。完全に自己修復の限界を超えていた。S2機関の力を以てしても、
あと数分活動を維持するだけで精一杯だろう。
僕はぼろぼろになった上顎に手のひらを当て、顔を寄せて軽く額を触れた。
今まで本当によく頑張ったね。
応えるように、穏やかな唸りがかすかな振動になって伝わってきた。
かつて自分だったものを傍らに、僕は振り向いて最後の思念を送った。使徒たちが
ようやく事態に気づいて、量産機めがけ殺到してくる。そうだよ、今までのは
全部茶番劇。仕掛けが整うまでの時間稼ぎ。上手くいくかどうかは賭けだったけど。
さよなら、聖母様。
古い血に彩られた月が、ただ眩しかった。
その瞬間、量産機が意思あるもののように大きく口を開き、巨大な歯列が僕の全身を噛み砕いた。

84 :氾濫する光・14:03/06/22 00:48 ID:???
わずかな血の靄を残して、少年は消えた。
量産機は数秒祈るように首を垂れ、そして勢いよく頭をもたげた。
それに合わせるように、傷ついた機体の各所で壊れた装甲板が幾つも弾け飛んだ。
もう血も失われた巨大な裂傷が露出し、あらわになった胸部骨格とともに、
血の色に光るコアが剥き出される。だが再生の始まる気配はない。
その代わりのように、隻肩から背中にかけての腱が鋼弦のように硬く引き締まり、
直後、そこから噴き出した光が迫る使徒たちを弾き飛ばした。
LCLの海と同色の烈光。光は輝度を増しながら機体の数十倍に延び拡がり、展開し、分かれ、
ふいに形をなして量産機の背を覆った。
それはもうひとつの翼だった。
超高密度のATフィールドよりなる、幾層にも透きとおる輝面の連続で構成された
巨大にして異質な光の翼。かつて同じ軌道上に存在した姿に、それは酷似していた。
量産機は身体の前面に黒い槍を構え、静かに宙に横たえて手を放した。
つかのま槍がほどけ、緩やかにねじれる輪の形になる。
その中で、何かが歪む。
しかしすぐに、槍は自ら生き物のように巻き上がって黒い二重螺旋をなし、掴んだ手に
導かれるまま、止める間もなく量産機のコアを貫通した。
同刻、惑星を覆う光が臨界に達した。
赤く光る第拾伍使徒アラエルの翼を背負った量産機はそのとき、光の中心で高く吼えた。

光の氾濫。
地表は湧き上がる淡い光に溢れ、惑星全域から夜が薙ぎ払われてゆく。
ごく穏やかな、優しく包み込むようなその光は、等しい強さと意志をもって全土に降った。
全地域全生命全意識に分け隔てのない、世界規模の無差別精神汚染波として。


そして、世界は停止する。
瞬間にも満たないその極微の時、ある限られた意味において、世界は音もなく凍りついた。

85 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/22 01:03 ID:???
今のところここまでです。

これだけ風呂敷を広げておいて、どう始末をつけるか、で目下格闘中です。
戦闘にするのか、喋るだけにするのか、外から見てお終いにするのか。
ここから誰かの手に委ねてしまうっていうのもアリかもしれません。

という訳で選択肢:ここからの始末をつけるにはどうしますか?
 1.主席にご足労願う(聖母様だと一瞬で終わっちゃうんでなしで)
 2.提案者氏にご足労願う(槍→インパクト繋がり)
 3.アスカにご足労願う(・・・)

自分が書く(書いている)のは、3です。「告別」で中途半端に終わらせた
第弐+アスカという厭な腐れ縁に、これで完全に決着がつく、予定です。
「光」とか番外なインパクトとか、その辺とかのネタもちゃんと終息します。
1も2もネタは暖めてあります、一応。
1だとばっちりインパクト発動しかけます。主席が相当カコイイ+悪な描写に。
個人的に一番やりたいのが2。インパクト阻止、禁断の「E」バージョン。
こっちも提案者氏がものすごく(自分的に)カッコ良くなる予定。
2は実は台詞だけもう上がってたりします。
もしいなくなる前に全部書ききれれば、「お遊び」とか言い訳して
ここに書いてしまうかもしれません。いや書きたいです。カッコ良く完成させられれば。

さて自分追い込み完了したところで消えますか。
それでは、まだいられれば、また。

86 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/06/22 22:16 ID:???
読みごたえがありますた。
しかしこれを展開するための時はまだ来ず、ですな。
で、ここまで出されるとこっち虎の子も出したくなりますが…
やっぱ出せませんな(笑)
イイ刺激になりますた。

>>68についてですが、羽の処理が完全じゃなかったという事です。
全部消し尽くしたように見えて、実は数枚くらいは残ってしまってて、
そのうちの一枚が死角から音も無く彼の腕にぷすっと。
羽手裏剣は「こちら」には無遠慮で強力に作用するとの事でしたので。
まあそれでもまだまだ、まだ弱いとは思いますが。

>>85の三択の2.(もし選ばれるなら)キャラ担当としては楽しみっす。
とだけ、すっきりな感じで抑えておきますです。


…………????さんは何処へ?

87 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/01 19:55 ID:???
保守しとこ。念の為。

88 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/07/08 23:15 ID:???
空を舞う九体の量産型エヴァを見たアスカが一言「シット!」

89 :書いた人:03/07/09 10:59 ID:???
鯖間借り状態言い捨て御免(じゃないけどさ)につき愚痴暴言。

>87
>88
…書き込みはありがたいけど、君ら誰よ?
このスレの元住人さん? だったら乗っ取ってごめんよ。
つーかな…あーあ量産機だけ書いてれば済むならこんなにラクなことはないんだけどなー
ってかなーんでこんな変なオリキャラ作っちまったんだかっていうかなんで敵幹部なんかに
手を出した去年の夏の俺っつーかしまいにゃアスカにまで手を出すし明らかに荷が重いっつーの。
俺がトチ狂って横から取ったりしなきゃ第弐次席ってどうなってたんだろー。
少なくとも話の進みは今よりずうっと早かっただろーなー。
あーあ。
なんでまだいるんだろ俺。

ちょっとすっきりしたところでまた頑張るか。
執行日が来ないうちに。

…鯖が一日でも早く復旧しますように。
俺はどうでもいいとして、居場所を失った全ての板の住人さん皆のために。
神様仏様ひろゆき様仕事人様。ナムナム

90 :山崎 渉:03/07/15 11:43 ID:???

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

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